高さ7メートル!巨大なネコの出現も 現代アートを体験、飯能のメッツァに美術館 アーティストの想像力を応援…館名のハイパーは“可能性”、「ハイパーミュージアム飯能」きょう1日開業
飯能市宮沢で北欧体験ができる「メッツァ」に1日、現代美術館「ハイパーミュージアム飯能」が開業する。「自然とデジタル」や「キャラクターアート」をテーマに、屋内外で没入型のアート体験を楽しむことができる。館長を務める京都芸術大教授の後藤繁雄さんは、「館名のハイパーは『可能性』。アーティストの想像力を応援する形で挑戦していきたい」と話す。
館内の広さは約490平方メートルで、案内所の2階部分をリニューアルした。常設展はなく、特別企画展を館内や屋外で実施する。森と宮沢湖に囲まれたメッツァの自然の中で、拡張現実(AR)仮想現実(VR)を活用したワークショップなどを展開。現代アートを体験できる空間をつくり出すという。
■伝統文化から発想を
後藤さんは「普通はデジタルと自然は離れているものだと思うが、アーティストは自然や伝統的な文化からインスピレーションを得て作品をつくっている」と説明。「ここ(飯能)にはムササビやサンショウウオがいる。そこからキャラクターができたり、というような仕かけもつくりたい」と展望する。
初の企画展はヘルメットを被った「シップス・キャット」の彫刻で知られる、現代美術作家ヤノベケンジさんの「宇宙猫の秘密の島」。新作として、メッツァ敷地内の宮沢湖に、高さ7メートルの巨大なネコが出現した。後藤さんは「人間にとって美術がどういうものなのか問いかける役割として、オープニングにふさわしい」と期待する。
■湖上に巨大ネコ
「宇宙猫の秘密の島」では、立体作品や原画、ドキュメンタリー映像など計約80点を展示する。ヤノベさんは「屋外も使用したぼくの展覧会の中では最大規模、最高傑作。都心とは別の場所で何ができるかという時に、この場所がイマジネーションを与えてくれた」と話す。
ネコの島は直径約18メートルで、来場者は足漕(こ)ぎボートで島に上陸できる。地球に生命が誕生する前、宇宙猫の偵察艇が飯能に不時着。搭乗していた1匹のクリエイティブな宇宙猫が残した作品を、現代の私たちが鑑賞する―というストーリーだ。偵察艇の内部には壁画などのアート作品があり、「絵画の起源を探検する」という物語に入り込むことができる。
チケットは大人1200円(前売り千円)、4歳から高校生までが700円(同500円)。同企画展は8月まで。島への上陸ツアーは土日祝日のみで、9日までは毎日開催する(入場料とは別料金)。問い合わせは、窓口(電話0570・03・1066)へ。