<新型コロナ>国産ノババックス「安心して打てた」 浦和区、熊谷、坂戸に接種会場 「選択肢の一つに」
県内で先月末から国内4種類目の新型コロナワクチン「ノババックス」の接種が始まった。これまでのファイザーやモデルナ製より副反応が弱いのではないかとみられており、新たな国産ワクチンで接種率が高まることが期待されている。接種が始まった熊谷市やさいたま市、坂戸市の3会場では予約が多く入っており、「今までのワクチンは心配で我慢していた」「ようやく打てて安心」などの声が聞かれた。
熊谷市銀座の商業施設ニットーモール2階にある県北部ワクチン接種センターで5日、武田社製「ノババックス」ワクチンの接種が始まった。同センターで通常使用されるモデルナのワクチンでは予約率が半分以下が多いが、ノババックスの初日は8割を上回り、利用者からは好評だった。
ノババックスはファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」と仕組みが異なり、アレルギーで接種できなかった人も接種しやすく、副反応も弱いのではとみられている。同センターの初日は予約枠244人に対し、予約は197人で予約率は約81%に上った。来場者はブースで問診などを受けた後、スムーズにワクチン接種を受けていた。
さいたま市の接種会場では6月3~5日に予約枠970に対して550人の予約があり、予約率は約56%だった。坂戸市の会場は5月30日から今月末までの予約枠1776に、5日現在ですでに433人が予約している。県は「かなり入っている方だ」と順調な推移に安堵(あんど)した。
目立つのは初めての接種や2回目の予約が多いことだ。熊谷市では5日の予約197人のうち、1、2回目の接種者が73人、さいたま市では3~5日の予約550人のうち154人、坂戸市では5月30日~6月4日の予約175人のうち85人を占めた。
熊谷会場で1回目の接種を受けた本庄市で鍼灸(しんきゅう)接骨院を営む柿沼卓さん(56)は「今までのワクチンは心配で我慢していたけど、ようやく安心して打てた」と安堵した様子だった。同じく1回目の接種を受けた行田市の主婦石川晶子さん(41)も「周囲にワクチンを打っていない人がいなかったので、肩身が狭かった。ワクチン接種の証明書が必要な時もあるので、気が楽になった」と語った。同会場の担当者は「アレルギーがあってこれまでワクチンが打てなかった人や、ファイザーやモデルナのワクチンで副反応が強く、敬遠している人はぜひ選択肢の一つとして検討してもらえれば」と話している。
ノババックスワクチンの接種は、さいたま市浦和区の旧市民会館うらわで7月17日までの隔週金、土、日曜に、熊谷市では日曜の午後2時半~同7時に、坂戸市の菅野病院では今月、平日と土曜に接種を実施している。