埼玉新聞

 

光の息吹、ホタル乱舞 幼虫を前年放流、2種3350匹 鑑賞の園児ら歓声 所沢文化幼稚園「自然観察園」

  • ホタルの光。羽化したホタルの寿命は2週間ほどという。

  • ホタルの成虫=所沢市荒幡の自然観察園

 命の尊さや自然環境保護について学んでほしいと、所沢文化幼稚園は、所沢市荒幡の「自然観察園」でホタルの観賞会を開催した。観賞会は、同園系列の幼稚園・保育園児とその保護者を対象に行われ、大勢が参加。ホタルの光に魅了されていた。

 午後7時、自然園に集まった園児らは観察員の「ホタルは音を感じないので、大きな声を出しても大丈夫です」という説明に、元気な声で返事をすると、保護者と連れ立って園内を散策。水辺で光るホタルに「かわいい」「いっぱいいる」と歓声を上げていた。両親とともに参加した西川陽菜乃さん(6)は「ホタルの光がきれいだった。見ることができてよかった」と満足気。陽菜乃さんの母祐子さんは「ホタルを見ることが難しい今、このような体験は貴重だと思う」と話した。

 「大きい方がゲンジ。小ぶりなのがヘイケ。光り方も全然違う。卵はゲンジの方が多く生むが、成虫になるのはヘイケの方が多い」と、子どもらは各ホタルの生態について学んだ。

 同園の梅沢好文理事長によると、観察園のホタルは前年園児らの手によって放流された幼虫が羽化したもの。観察園が100個近くのケースで卵から幼虫まで育てるが、それでも「放流まで生きるのは3パーセントほど」という。「保護者と観賞することで家族の絆を深めてほしい。子ども同士でホタルの光の色など話し合って、色の感じ方が人によって違うことを知れば、多様性の尊重にもつながる」と園児らの成長にホタル観賞が与える影響についても語っていた。

 観察園には現在350匹のゲンジボタルと3千匹のヘイケボタルがいるという。

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