埼玉新聞

 

王将戦へ高まる期待感 8、9日に深谷「中の家」で開催 再び全国から脚光

  • 王将戦の会場となる旧渋沢邸「中の家」。天候に恵まれた2日は大勢の来場者でにぎわいを見せていた=2日午後、深谷市血洗島の旧渋沢邸「中の家」

    王将戦の会場となる旧渋沢邸「中の家」。天候に恵まれた2日は大勢の来場者でにぎわいを見せていた=2日午後、深谷市血洗島の旧渋沢邸「中の家」

  • 王将戦の会場となる旧渋沢邸「中の家」。天候に恵まれた2日は大勢の来場者でにぎわいを見せていた=2日午後、深谷市血洗島の旧渋沢邸「中の家」

 深谷市血洗島の旧渋沢邸「中の家(なかんち)」で8、9日に将棋の「ALSOK杯第74期王将戦」7番勝負第5局が開催されるのを前に、市内で徐々に期待感が高まっている。昨年は同市出身の実業家渋沢栄一の新1万円札が発行され、市内は大きな盛り上がりを見せた。再び全国から注目を集めるチャンスが到来し、地元の関係者たちは地域活性化に期待を膨らませている。

 県内で王将戦が開催されるのは、2015年2月にさいたま市浦和区内のホテルで実施された第64期王将戦7番勝負第4局以来で10年ぶり。今回の王将戦7番勝負は藤井聡太王将=竜王・名人・王位・王座・棋王・棋聖との七冠=と挑戦者の永瀬拓矢九段が対戦する。藤井王将は3連勝したが、永瀬九段も1勝を返している。

 藤井王将と永瀬九段に振る舞われる「勝負めし」なども2月28日に公表。渋沢栄一も好物だったことで知られる地元名物の「煮ぼうとう」をはじめ、深谷牛や武州和牛など11種類のメニューが並んだ。「勝負おやつ」は県オリジナル品種のイチゴ「あまりん」など13種類、「勝負ドリンク」も「開運 渋沢栄一カフェオレ(ホット)」などの6種類のメニューが用意された。

 中の家に程近い道の駅おかべは王将戦に合わせて、物産センターを8日にリニューアルオープンする。深谷ねぎコーナーを新設し、「深谷ネギソフト」と「深谷ネギシオソフト」(いずれも480円)も同日から発売開始。同駅の香月幸生駅長(41)は「これまでPRできなかった商品をPRしながら深谷市をアピールしたい」と意気込む。

 王将戦記念・渋沢栄一杯こども将棋大会も1日、同市下手計の八基公民館体育室で実施された。同市や近隣在住の小学生以下の参加者48人が3クラスで戦い、上級者は市立藤沢小5年生の長谷川正宗さん(11)、中級者は熊谷市立熊谷西小6年生の新鎧(しんがい)勇貴さん(12)、初心者は深谷市立桜ケ丘小6年生の佐藤望さん(12)が優勝した。

 各クラスの優勝者は7日に埼玉グランドホテル深谷で開催される王将戦前夜祭で、藤井王将から表彰状を授与される。長谷川さんは「終盤に強い藤井聡太王将を尊敬しているので、すごくうれしい」と喜んだ。新鎧さんも「信じられないし、夢のよう」、佐藤さんも「めちゃくちゃうれしい」と目を輝かせた。

 王将戦開催に伴う準備や会場使用のため、中の家は6~10日、渋沢栄一記念館は8~9日が休館となる。

 問い合わせは、市渋沢栄一政策推進課(電話048・577・5061)へ。

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