胎児の脊髄難病手術、先進医療に 大阪大らのグループ、日本初成功
2025/03/07/16:56
背中側の皮膚などが開いたままとなり脊髄が露出する指定難病「脊髄髄膜瘤」の治療として、妊娠した母親の子宮を切り開き胎児を手術する手法が国の「先進医療」に認められたと、大阪大などのグループが7日までに発表した。グループはこの病気では日本初となる胎児手術に成功、今後3年かけてさらに10件の手術を実施する方針。
先進医療では、手術の約80万円は自己負担だが、それ以外の費用は保険適用となる。グループは2028年に手術自体も保険適用となることを目指す。阪大胎児診断治療センターの遠藤誠之副センター長は「先進医療として認められ、同様の診断を受けた人々への希望となる」としている。
脳から体の各部につながり情報を伝える脊髄がむき出しになる脊髄髄膜瘤は、後脳ヘルニアや運動障害などを引き起こす。通常は出産後に皮膚などを閉じるが、子宮内で露出状態が続くことで症状が悪化するとされる。一方海外では以前から胎児手術がされてきた。
グループは21年4月からこれまでに10件の手術を実施した。