埼玉新聞

 

<新型コロナ>オミクロン株の亜種2種類、埼玉で初確認 感染3人 専門家「注視が必要」

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 大野元裕知事は17日、新型コロナウイルスに関する県のゲノム解析の結果、これまで県内で確認されていなかったオミクロン株の亜種2種類の感染者が3人確認されたと発表した。県は同日、新型コロナウイルス対策の専門家会議を開き、専門家からは「直ちに感染状況を変えるものではなく、引き続き注視が必要」との意見が出たとした。

 県によると、新たに判明したのはオミクロン株派生型「BA・5」に感染した10、40代男性2人と、「BA・2・12・1」の50代男性。いずれも海外渡航歴はなく、すでに回復したという。これまで県内ではBA・2が主流となっていた。

 高齢者などを対象とした4回目のワクチン接種については、7月から東部、西部、北部の県会場でも実施することを決めた。モデルナを使用し、6月21日から予約を開始する。大野知事は専門家から「医療従事者や福祉施設職員の希望者への4回目接種を行うべき」との意見があったとして、近く国に対象者の拡大を要望する考えを示した。

 また県は、感染状況の改善を受け、病床の計画を現在(フェーズ3)の1311床からフェーズ2(940床)に移行することを専門家に諮問。基礎疾患や合併症がある感染者の受け入れ医療機関の確保を進め、24日から移行する方針とした。さらに、3月に発表した後遺症の症例集に続き、オミクロン株を踏まえた第2版をまとめ、県ホームページなどで公表。大野知事は会議後の会見で「デルタ株中心の前回に比べ、味覚障害や脱毛が減り、せきやたんが非常に増えている」とし、「9割の医療機関で症例集が診療の役に立ったとの回答があった」と手応えを明かした。

 県内の17日時点の指標は、確保病床使用率が前週の11・8%から8・9%、重症病床は同1・0%から0・5%にそれぞれ改善した。一方で、実行再生産数は同0・904から1・002に悪化し、大野知事は「飲食店やカラオケでの感染がじわじわと増えている」と、会話や発声時にマスクを着用するなど対策を求めた。

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