和光市元部長に684万円の賠償命令 生活保護費の返還や保護廃止の決定処分せず…市や国に費用を負担させる
2025/03/09/13:13
埼玉県和光市の生活保護受給者に関する保護費返還や保護廃止の決定処分を行わず、市や国に費用を負担させたなどとして、同市が元保健福祉部長の男性(61)=詐欺罪などで懲役7年の実刑確定=を相手取り、約684万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が7日、さいたま地裁であり、鈴木和典裁判長は請求通り約684万円の支払いを命じた。
判決理由で鈴木裁判長は、元部長が相当額の現金を所有していた受給者に対して、保護費返還や保護廃止の決定処分を行うべきだったにもかかわらず、受給者から預かっていた金銭をだまし取っていたことを認定。保護費返還や保護廃止について、元部長が市の担当者に対して保留するよう指示することで妨げ、返還手続きについては請求権の消滅時効を完成させたとした。
元部長側は、保護費の返還手続きなどを行わないように指示したことはないなどと主張していた。
判決などによると、元部長は保健福祉部長兼福祉事務所長だった2015年、市の生活保護受給者がその資格を持たないことを認識していた上で、保護費返還や保護廃止の決定処分を行わず、不法に市や国に保護費を負担させ損害を与えた。
元部長は市が生活保護受給者らから預かっていた金銭をだまし取ったなどとして、19年に詐欺容疑などで県警に逮捕、起訴され、さいたま地裁から懲役7年の判決を言い渡されていた。その後、東京高裁は元部長の控訴を棄却している。
同市は判決を受け、「市の主張が全面的に認められたものであるが、控訴期間中であるため引き続き被告側の動きを注視しつつ対応を検討する」とコメントした。