埼玉新聞

 

なかなか信じない客を説得、金融機関の窓口女性「それは詐欺」 帰宅し詐欺と気付いた客お礼「ありがとう」

  • 感謝状贈呈式で、(左から)門井幸夫署長、田谷欽司支店長、吉田愛さん、竹村久副署長=武南警察署

 武南署は、電話で息子を装い高齢女性から150万円をだまし取ろうとした特殊詐欺被害を未然に防止したとして、川口信用金庫鳩ケ谷支店と窓口担当の吉田愛さん(38)に感謝状を贈った。

 同署によると、5月27日午後、来店した高齢女性が窓口の吉田さんに「50万円引き出したい。息子から150万円用意してほしいと言われた。何に使うか分からない」などと話した。「女性の話や、普段使う口座ではないので、詐欺被害を疑った。手続きをストップして、課長に女性の応対を交代し、私はホットラインで警察に電話した」と吉田さん。

 武南署員が駆け付け、信金職員と一緒に、別居の50代の息子と連絡を取るよう女性に勧めたが、連絡が取れなかった。署員らの説得で、女性は現金の引き出しをやめ帰宅。その後、女性が息子に連絡したところ詐欺だと分かった。

 女性からは同支店に「大変ありがとう」とお礼の電話があった。吉田さんは「お客さまが事前に相談してくれるような信頼関係を築きたい」と話し、田屋欽司支店長(48)も「普段の人間関係を大切にしたい」と話していた。

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