うるせぇこの野郎…5時間ネカフェ立てこもり男逮捕 2畳の個室で女性店員を人質、一時は興奮 不敵な笑み
21日午後10時過ぎ、川越市脇田新町のインターネットカフェ「快活CLUB川越脇田新町店」で男が県内居住の女性アルバイト従業員(22)を人質に取り、鍵付きの個室に立てこもった。県警は約5時間後の22日午前3時過ぎに現場へ突入し、逮捕監禁の疑いで、住所、職業不詳の男(42)を現行犯逮捕した。人質になっていた女性従業員は保護された。病院に搬送されたものの、軽傷で命に別条はないという。
県警は、男が女性を解放するように個室のインターホン越しに説得交渉を継続した。同3時17分ごろ、男がドアを開けたタイミングで捜査員が突入。抵抗したため制圧して身柄を確保した。男や女性らから事情を聴くとともに、現場の状況を調べるなどして、犯行の動機や経緯を明らかにする。
逮捕容疑は21日午後10時ごろから22日午前3時17分ごろにかけ、ネットカフェの個室に女性従業員を不法に監禁した疑い。男は10年前の2012年にも愛知県の信用金庫で人質を取り立てこもる事件を起こし、その後、懲役9年の判決を受けていた。捜査関係者によると、「自分の人生に嫌気が差した。また事件を起こせば刑務所に戻れると思った」旨の供述をし、容疑を認めているという。
捜査1課によると、男は21日午前に客として会員カードを提示して入店した。女性が同午後9時55分ごろに男の隣りの個室を清掃中、カッターナイフを持った男が押し入り、内鍵を閉めて立てこもった。別の従業員が「女性店員が客の個室に行ったが戻ってこない」と110番した。
臨場した捜査員の説得に対し「うるせぇ、この野郎」と応じなかったという。男は水などを要求。興奮状態に陥る時間帯もあり、慎重に説得を続けた。女性とは面識はないとみられる。県警がカッターナイフ1本を押収した。
同店は平屋で個室ブースは61室あり、うち鍵付きは30室あった。女性従業員が人質に取られていた個室は2畳ほどの広さで、パソコンが置いてあり、マットレスが敷かれていた。窓などはなく、外から中の様子は見ることはできない。事件発生時に従業員は被害女性を含め2人、客は20人ほどいたという。
県内では、昨年6月にも、さいたま市大宮区のネットカフェで客の男が女性従業員を人質に、個室に立てこもる事件が起きた。この事件では発生から約32時間後に捜査員が突入して女性を保護し、男を監禁容疑で現行犯逮捕した。
■報道陣に不敵な笑み
深夜のインターネットカフェで女性店員を人質に立てこもること約5時間。逮捕監禁容疑で現行犯逮捕された男(42)は川越署に移送される際、報道陣に向けて不敵な笑みを浮かべた。
現場はJR川越駅から南西に1キロほど離れた国道16号沿い。周辺には複数の警察車両や救急車が駆け付け、道路が一時通行止めになった。店舗の裏側は一戸建て住宅などが立ち並ぶ閑静な住宅街で、通行人の中には立ち止まって規制線の外から現場の店舗を心配そうに眺める姿も見受けられた。
22日午前3時20分ごろ、ブルーシートに覆われた店舗の入り口に多くの警察官らが集まると、近くに停車していた救急車とワンボックスカーへの動線をつくるようにブルーシートを持ち上げた。それぞれ人質だった22歳の女性店員と男が乗り込んだとみられる。
同日午前3時35分ごろには、男を乗せた車両が川越署に到着。長袖半ズボンにはだしで、車両から降りる際も抵抗する様子はなかった。