立てこもり男、笑ってピースも…翌日一転、警官の指示に忠実 カッターで女性店員脅し、包丁も用意していた
川越市のインターネットカフェ「快活CLUB川越脇田新町店」で女性アルバイト従業員(22)を人質に男が個室に約5時間立てこもった事件で、逮捕監禁容疑で現行犯逮捕された住所、職業不詳の男(42)が自身が利用していた個室に包丁を持ち込んでいたことが23日、捜査関係者への取材で分かった。犯行には使用されなかった。また入店時に所持金が数十円だったことも判明。男が「自分の人生に嫌気が差した。また事件を起こせば刑務所に戻れると思った」などと供述していることから、県警は自暴自棄になって犯行に及んだとみて調べている。
捜査関係者によると、現場検証の結果、包丁は男が利用していた個室ブースから見つかったという。男が入店したのは21日午前8時前後。同日午後9時55分ごろ、女性従業員が男の隣りの個室を清掃中に押し入り立てこもったが、その際に凶器として手に持っていたのはカッターナイフで包丁は自身の個室内に置かれていた。
男は10年前に愛知で同様の事件を起こし、今年4月に出所していた。捜査関係者によると、出所後は県内の会社で住み込みで働き、建築・土木関係の作業員だったが、6月上旬に宿舎から逃げ出して失職した後は、狭山や蕨など県内のネットカフェを転々としながら生活していたという。川越脇田新町店には初めて訪れたとみられる。
男が入店してから約14時間後に立てこもっており、県警は犯行に至るまでの経緯を捜査している。
また、男が立てこもっていたのは鍵付き個室エリアに4室ある細長い2畳ほどの部屋だったことも分かった。
県警は23日午前、容疑を逮捕監禁致傷罪に切り替えて、さいたま地検に送検した。
大勢の報道陣が詰めかけた川越署で、男は、黒のTシャツにサンダル姿で警察車両に乗り込んだ。その際、ピースサインや報道陣に不敵な笑みを浮かべていた前日から一転して、マスクを着けて、落ち着いた表情で、警察官の指示に従っていた。