「また開催を」地元は盛り上がり 埼玉・深谷で将棋の王将戦 勝負めしやおやつに埼玉産生かしたメニュー 解説会の会場では勝負めし予想クイズやキッチンカーも登場
将棋の「ALSOK杯第74期王将戦」7番勝負第5局2日目が9日、深谷市血洗島の旧渋沢邸「中の家(なかんち)」で行われ、藤井聡太王将(22)=竜王・名人・王位・王座・棋王・棋聖との七冠=が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に勝利して、4連覇を果たした。県内で10年ぶりとなった王将戦は地元で大きな盛り上がりを見せた。
対局者に振る舞われる「勝負めし」は藤井王将が「これうま!!豚ロース 黄金のしょうが焼丼!!」(焼肉 名所、)、永瀬九段が2日続けて「深谷ねぎカレーやきそば(とろろご飯・甘~い卵焼き付き)」(居酒屋大八)を注文。「勝負おやつ」と「勝負ドリンク」は永瀬九段が2日間で4回続けて県オリジナル品種のイチゴ「あまりん」と「深谷産イチゴ『あまりん』のスムージー」を注文した。
8日に続いて9日も大盤解説会が同市下手計の八基公民館で行われ、将棋ファンなど約300人が注目の大一番を見守った。解説棋士として金井恒太六段(38)=上尾市出身、門倉啓太六段(37)、女流棋士の香川愛生(まなお)女流四段(31)らが参加。封じ手をはじめ、次の一手「勝負めし」や「勝負おやつ」などを予想するクイズが実施され、会場にはキッチンカーも登場した。
地元出身の実業家渋沢栄一について学んだ小中学生たちが渋沢栄一記念館を案内する「渋沢栄一翁 ジュニアボランティアガイド」も活動。ガイド役を務めた市立幡羅中学校1年の中村光希さん(13)は「将棋をきっかけに渋沢栄一のことを多くの人に知ってもらえれば」と語った。
日本将棋連盟県支部連合会の小島一宏会長は「模様の良い局面から徐々にリードして勝ちに結びつける藤井王将の手腕に感心した。県内でタイトル戦が行われたのは10年ぶりで、今回の盛り上がりを見れば、また開催してほしいと切望する」と話していた。