埼玉新聞

 

土地の不正売却で第三者委設置へ さいたま市 再発防止策の有効性などを検証 市長印を不正に使用して、土地売買契約書を偽造した職員は免職 埼玉県警が有印公文書偽造・同行使の疑いで書類送検

  • 【役所】さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

    さいたま市役所=さいたま市浦和区常盤

  • 【役所】さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

 さいたま市の土地が不適正に売却され、元職員の男性=懲戒免職=が書類送検された事件で、市が、調査検討会議で策定した再発防止策の有効性の検証などを行う第三者委員会を設置する意向であることが10日、分かった。市議会2月定例会予算委員会の総括質疑で、佐伯加寿美委員(立民・無所属の会)と渋谷佳孝委員(さいたま自民)の質疑に清水勇人市長が答弁した。同定例会に第三者委設置に関する条例案を提出する見通し。

 JR与野駅西口の土地区画整理事業を巡っては、元職員が市長印を不正に使用して、土地売買契約書を偽造して交付するなど正規の手続きを経ずに市有地を売却した。市は昨年6月に元職員を有印公文書偽造・同行使の疑いで浦和西署に刑事告発。同年11月に県警が同容疑でさいたま地検に書類送検した。

 市は昨年5月に原因の調査や再発防止策の検討などを実施する調査検討会議を設置。その後、会議のメンバーに弁護士と公認会計士の外部有識者を加え、同年10月に「組織体制」「財産管理」「公印管理」の三つの観点から計17項目の再発防止策をまとめた。

 清水市長は、予算委総括質疑の答弁で「二度とこのような事案を発生させないためにも、第三者委員会を設置して外部の専門家からの視点で調査検討会議の調査結果を改めて検証、評価した上で、すでに取り組みを進めている再発防止策の有効性などの検証が必要と考えている」とし、「行政の透明性、市民の信頼回復の観点から、第三者委員会設置に関する条例案の提出の準備を進めている」と語った。

 第三者委員会の設置可否を巡っては、これまでに市議から「調査が不十分で、犯行の動機が分からないと再発防止もできない」などと第三者委設置の必要性を求める声が多く出ていた一方で、清水市長は「新たな事実が発覚した場合などに設置を検討する」と述べていた。

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