埼玉新聞

 

保護猫カフェ、越谷にオープン 保護猫の里親探しの場、動物病院が主体にボランティアが協力し運用

  • 保護猫とじゃれ合う利用者(保護猫カフェさくら提供)

 飼い主のいない保護猫の里親探しの場として「保護猫カフェさくら」が、越谷市弥生町の東武スカイツリーライン越谷駅近くにオープンした。同市内で保護猫や犬の避妊去勢手術に力を入れている「いながき動物病院」が運営。NPO法人などの団体ではなく、動物病院が主体となってボランティアの協力を得ながらの運用スタイルだ。

 同店店長で「いながき動物病院」の獣医師稲垣桃子さんは「保護猫の多くは、病気やけが、飢えなどで救助された猫。しかし、救助するボランティアの数は限られていて、一人が何十匹も世話をしているのが実状。少しでも負担軽減につなげたいと立ち上げた」と、開設理由を説明する。

 現在、店内にいる保護猫11匹は、救済活動をしているボランティアから預かっている。利用者には、多様な個性を持った猫たちと触れ合って猫との生活の疑似体験をしてもらい、猫の性格を理解した上で里子に迎えてもらいたいとの思いがある。そのため、里親に譲渡金として4万円の支払いを依頼。稲垣さんは「一つの命を育てることに対し責任を持って引き取ってほしいので譲渡金を頂いています」と話す。

 利用した越谷市の林成江さん(52)は、自身も保護猫を飼っている一人で「保護猫は、しつけがしっかりされているので、店舗などで購入した猫に比べ、手がかからない。次に飼うとしても保護猫にする」と話す。三郷市の菅野君代さん(52)は「情報交換や相談もできるので、保護猫カフェが各市に一つあるといい」と語った。

 飼い主のいない猫が繁殖することで、傷病や殺処分、環境悪化に伴う地域トラブルの原因を減らすため、飼い主のいない猫の避妊去勢手術を進めるTNR(T=捕獲、N=避妊去勢手術、R=元の場所に戻す)活動は、全国的に広がっている。市保健所も、2016年4月から飼い主のいない猫の避妊去勢手術費の補助金交付事業を実施。当初50万円の予算で年間100匹以上の手術に対し助成をしていたが、要望が増加したため昨年度から予算を増額し対象枠を広げている。

 問い合わせは、いながき動物病院(080・7715・7321)へ。

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