埼玉新聞

 

泣く小学生…下校後に友人らと別れて迷子に 優しい中学生ら、警官呼んで「お母さん来るよ」と安心させる

  • 矢口順一署長から感謝状を授与され喜ぶ功労者4人

 吉川署は1日、迷子になった小学1年生の男児を保護したとして、吉川市立吉川中学校2年生の三山空我さん(13)、小倉拓翔さん(13)、小田哉隼さん(14)、関根蓮さん(13)の4人に感謝状を贈呈した。

 同署などによると、20日午後7時半ごろ、市内の公園で4人で遊んでいたが、三山さんが飲み物を買いに近くのコンビニエンスストアに向かう途中、路上で泣き声を上げながら歩いている男児を発見。三山さんが声をかけると、男児は「道に迷って帰宅できない」と話した。三山さんは、事件や交通事故に遭う可能性もあるため男児を保護。友人らと遊んでいた公園へ一緒に戻った。小田さんが男児をベンチに座らせ、「お母さんが来るよ」などと話しかけながら落ち着かせ、小倉さんが携帯電話から110番し関根さんも男児に飲み物を飲ませ警察官が到着するまで男児に寄り添った。

 男児は、学校から帰宅後、友人らと近くの公園や店を回り友人と別れると、帰り道が分からなくなってしまったという。

 感謝状を受け取った三山さんは「男児が無事に帰宅でき良かった。男児を救助でき、感謝状をもらえてうれしかった」と話した。

 矢口順一署長は「優しさと勇気ある行動をしてくれてありがとう。困っている人に手を差し伸べ、助け合うことは大切なこと。これからの人生にとって大きな糧となる」と4人の連携した行動をたたえた。同行した前田稔校長は「中学生の模範となる本当の勇気ある行動。勉強も重要だが、こういう行為はとても大切。誇りに思ってほしい」と激励した。

ツイート シェア シェア