吉川の病院計画が中止…医療法人と直接交渉の機会なし 計画地の面積も違い 葵会、計画地の面積縮小を指摘「一番の問題は調剤薬局の設置」 議会で市側が答弁「調整は進んでいた」
2025/03/20/12:19
埼玉県のJR吉川美南駅前の総合病院建設計画が中止になった問題で、吉川市議会で18、19日、一般質問が行われ、建設計画を巡る経緯を市議が質問し、市側が答弁した。市は計画を辞退した優先交渉権者2者のうち、医療法人とは直接交渉の機会がなかったことを明らかにした。
病院の建設計画は昨年11月、大和ハウス工業(大阪市)と医療法人社団葵会(千葉県柏市)が病院建設の中止を表明。葵会は「一番の問題となったのが調剤薬局の設置」などを理由に上げていた。
一般質問で、加藤克明議員(無所属)は葵会が計画地の面積縮小について指摘していたことに触れ、「(市と)ボタンの掛け違いがあったのではないか」と質問。中村喜光都市計画部長は2者が優先交渉権を得た画地が1・3ヘクタールで、県に採択された整備計画が約1ヘクタールだった点を挙げ、「総合病院の整備計画の計画を上回る面積だった」と答えた。
遠藤義法議員(共産)は、調剤薬局設置に向けた協議の経緯について質問。中村部長は「できる限りの協力を行い、8月ごろまでは優先交渉権者とは調剤薬局の設置に向け調整は進んでいた」と答弁した。
一方、中村部長は大和ハウス工業と葵会の優先交渉権者のうち、「(交渉の)メインは大和ハウス工業で、調剤薬局、総合病院整備計画の件について話を進めた」と述べ、葵会と直接交渉する機会がなかったことを明かした。