埼玉新聞

 

会社員らヤミ金運営、埼玉初の手口で 客6795人に貸し付け、2年間で1億3千万円超を売り上げる

  • 37歳男の自宅を家宅捜索し、押収物を運ぶ県警の捜査員ら=2021年11月18日午後0時10分ごろ、東京都板橋区成増1丁目

 無登録で貸金業を行ったとして、県警生活経済課と浦和署の合同捜査班は11日、貸金業法違反と出資法違反の疑いで、東京都板橋区成増1丁目、会社員の男(37)、同練馬区桜台4丁目、会社員の男(29)、同新宿区戸山1丁目、不動産仲介業の男(42)ら男4人を逮捕・再逮捕した。

 逮捕・再逮捕容疑は、共謀し、2020年12月ごろ~昨年8月ごろまでの間、無許可で29回にわたり県内の男性ら5人に対し、情報商材を販売して商材の評価投稿に対する報酬を支払ったかのように仮装して現金計40万6千円を貸し付け、1日当たり0・3%を超える利息相当額計46万4千円を受領し、貸金業を営んだ疑い。同課は共犯事件のため認否を明らかにしていない。

 同課によると、男らは、金利3~7%で金を貸し、返済は現金書留郵便で送らせていたという。

 また、37歳男、29歳男、42歳男の3人は、給料の前借りなどと称して、20年6月ごろ~9月ごろまでの間、11回にわたり、男女5人に現金計約15万5千円を貸し付け、高金利で受領したとして、6月28日までに同罪で逮捕されている。給料日に受け取る予定の給料を前もって債権として買い取り、高金利で現金を貸す「給与ファクタリング」と呼ばれる手口でも利益を得ていた。

 2020年8月、40代男性が県警に「給与ファクタリングに借り入れがあり、金利が高すぎて返済に困っている」と相談があり、県警が捜査していた。37歳男がリーダー、29歳男、42歳男が借り入れの連絡や取り立てを行っていたとみられる。

 男らが、給与ファクタリングと情報商材に関する貸し付けをしていた客は6795人。売り上げは、およそ2年間で約1億3500万円に上るとみられる。給与ファクタリングと評価投稿を手口とするヤミ金業者の摘発は県内初だという。

 同課は、全容解明に向け詳しく捜査している。

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