埼玉新聞

 

<高校野球>エース好投、完封リレー 試合ごとに増す力強さ「聖望学園ここにあり」武南に3―0/準々決勝

  • 聖望学園―武南 4回裏聖望学園1死二塁、左越え2ランを放った江口が生還する=レジスタ大宮

 先発のエース岡部が五回まで無安打無得点の完璧な投球。続く2番手の東山も武南打線を抑え、完封リレーで4年ぶりの4強を力強くもぎ取った。岡本監督は「岡部のコントロールが良かった。後ろに東山がいる安心感。それが良い投球につながっている」と大黒柱の背番号1を絶賛した。

 投手戦を想定し、先頭打者を出さないよう意識して臨んだ一戦。岡部は直球をコーナーに丁寧に投げ分け、「(ノーヒットノーランは)意識しなかった」と五回まで圧巻の投球。七回2死からバトンタッチした東山も、危なげない投球でゼロを並べた。

 打線の主役は主将の江口だ。四回1死二塁から、左越え2ラン。浮いたフォークを豪快に振り抜き、貴重な追加点を挙げた。今大会これまで打順は4番だったが、21日の昌平戦から7番に降格。主将、捕手、4番と三つの重責を背負うことが知らないうちにプレッシャーとなっていた。本調子でないことを察した岡本監督からの気遣いだったという。「気負わずに打てた」と振り返る江口。守っても好リードで、完封リレーを支えた。

 1999年に初めて夏の埼玉大会で優勝し、03年には甲子園で全国8強。09年にも埼玉大会を制し、夏3度の甲子園出場を誇る。しかし近年は18年の南北大会4強が最高成績。岡本監督は「コロナの時期は負けていた(笑)」と、ナインはもどかしく悔しい時間を過ごした。今大会はDシード大宮東、昨夏準Vの昌平を撃破。ノーシードから一気に駆け上がり「聖望ここにあり」を存分に発揮。激闘を重ねるごとに力強さが増している。13年ぶり夏の頂へ。「上を気にせず、まず目の前の1勝を目指す」と岡部。勢いに乗った聖望は、誰にも止められない。

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