2010年8月、川口市に開店した焼き菓子とケーキのお店「Patisserie Himawari（パティスリーヒマワリ）」の「シュークリーム」（税込み360円）はカスタードのおいしさがいっぱいに詰まった一品。

　手に取るとまずはしっかりとした重さ、存在感に驚かされる。一口食べると、ぜいたくで濃い、上品な甘みと香りが口いっぱいに広がり、自然と笑みがこぼれてしまう。

　山形県出身で代表の佐藤智樹さん（48）は「中に空洞があると、食べた時にお客さまががっかりしてしまうような気がして…」と、カスタードがぎっちりと込められた商品への思いを話す。

　濃い目のカスタードは牛乳、卵、砂糖、小麦粉、バター、バニラビーンズなどの材料を手間を惜しまず、通常より時間をかけ炊くことで作られる。「当初はこれを当店の『推し』にするつもりはなかったのですが」と佐藤さん。中身がはみ出さんばかりの甘い味わいが評判となり、いつしか多くの支持を集めるようになった。

　男女問わずに人気を集める商品は、カスタードの多さから、こぼれないよう「逆さ」にして食べる人もいるという。佐藤さんは「お一人でも、誰かと一緒でも、皆さん、思いのままに、味わっていただければ」と笑顔で話す。

【メモ】パティスリーヒマワリ　川口市栄町2の1の11（電話048・229・1304）。営業時間は午前10時～午後8時、月曜定休（月曜が祝日の場合は翌日）。JR川口駅東口から徒歩約7分。