埼玉新聞

 

批判集中…斜面の木々を伐採した蓮田市、「再緑化」へ計画見直し…けど斜面に「木は植えない」 住民ら苦情

  • 工事が進められていた黒浜緑地の整備事業=蓮田市藤ノ木

 蓮田市が整備を進める斜面緑地「黒浜緑地」について、市は24日、市役所で2回目の住民説明会を開いた。再緑化に向け案を示したが、住民からは「先が見えず不安」との声が相次いだ。

 「黒浜緑地」は同市藤ノ木地区に帯状に広がる約1・1ヘクタールの斜面。市は斜面部をコンクリートで固める計画で一部の緑地を伐採したが、近隣住民が反対し工事は中断。市は計画の見直しを表明した。3日に行われた説明会で「再緑化」を図る意向を示した。

 2回目の説明会は各地区ごとに行われ、地域住民延べ61人が参加した。最も参加者が多かったのは、すでに斜面の木々が伐採された「3号緑地」の説明会で、「たたき台」として示された絵図に批判が集まった。

 市は斜面の上部と下部に中低木の木々を植える案を示した。斜面部は補強工事をし、ツタ・ツル類をはわせる案を提示。市民には従来のコンクリート吹き付けを進めるように受け止められ「具体的な案を出して」などの批判が出た。

 市みどり環境課は斜面地の補強について、芝や種子吹き付けなどの方法があるとしながらも、樹木は植えない方針。説明会後の取材で「市としては斜面に木がないということを伝えたかった。斜面に木は植えていかないという考え」と答えた。

 一方、ブルーシートをかけられたままの現状に、斜面近くに住む住民からは「風が吹くと土が舞う。陰がなく昨年より暑い。ごみが捨てられる」などの苦情が寄せられた。雨により土砂の流出を憂慮する声も多く、近くに住むという男性は「専門家の意見を聞き、工法を考え直してほしい。住民は先が見えないと不安だ」と嘆いた。

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