「何もない」を払しょく…「鉄道模型のまち」へ 鉄道模型メーカー「関水金属」の工場がある鶴ケ島市 異業種交流会が小中学校に模型を寄贈 児童生徒が自由に触って楽しめる 「子どもたちに地元に興味を」
2025/04/01/10:41
鶴ケ島市異業種交流会「スクラム21」は、市内13の小中学校に鉄道模型を寄贈した。鉄道模型「Nゲージ」で有名な関水金属(本社・東京都)が2024年、同市内に新工場を建設。隣接する鶴ケ丘児童公園と工場敷地内の緑地を「ガーデンパーク」として一体的に再整備した。子どもたちに市内で鉄道模型を製造していることを知ってもらう活動を通して、市のイメージ向上につなげていきたいとしている。
寄贈する鉄道模型はスクラム21が購入。最初はまちおこしの一環として市内の飲食店で展示していたが、子どもたちにも輪を広げようと市の教育委員会に相談し、小中学校への提供が決定した。鉄道模型は、児童生徒も自由に触って楽しむことができる。
取り組みを企画したのは、現在はイベントなどに出店しているそば店「布袋家」店主の伊藤奬晃さん。もともと鉄道模型のファンで、市内に工場を建設した関水金属が地域を盛り上げようとしていることを知り、自分たちも何かしなければと企画を考えた。
伊藤さんは、「何もないともいわれる鶴ケ島から、鉄道模型のまちへ認識を変えていきたい。市外の人に特徴を聞かれた時に、子どもたちが話せる時代を目指していく」と語る。
寄贈を受けた同市立鶴ケ島第二小学校の山本享校長は「子どもたちの中の鶴ケ島をより良いものにするための良い取り組み。地元に興味を感じてもらうことにつなげたい」と話す。学校と地元企業の連携についても「学校が子どもたちにやるべきことが多様化する中で、地域の教育力を集中させる必要がある。スクラム21が軸となり、地域企業同士の連携によるバックアップ態勢が整い始めた」と話す。