<高校野球>王者・浦和学院1点遠く 鳴り潜めた強力打線 最後の打席まで「超攻撃野球」貫く
2022/07/27/00:00
夏の大会2連覇、県内5季連続優勝を狙い王者として挑んだ浦和学院だったが、聖望学園の先発岡部の前に1点が遠かった。10得点を奪った準決勝の花咲徳栄戦から、各選手の調子を考慮して4人の打順を入れ替えた打線は散発4安打と沈黙した。
先発の宮城が三回に連打を浴び、1点を先に失う。今大会、4回戦の本庄東戦や準決勝同様、逆転に向けた軌跡を描きたかったが、聖望学園の先発岡部の制球を生かした投球を前に、スコアボードに「0」が並んでいく。
各打者がバットを振り切り、劣勢でも強気で戦う「超攻撃野球」を掲げる打線だ。味方の援護を信じ、力投を続ける宮城に報いたかったが、持ち味の強力打線は鳴りを潜めた。
鍋倉に代わり、今大会初めて4番に入った伊丹は「想像以上に良い投手だった。対策していたが、バッテリーがテンポを変えてきて打てなかった」と、攻略の糸口を見いだせなかった。
九回無死二、三塁のピンチを切り抜け、最後の攻撃に懸けた。先頭の伊丹が四球で出塁。一発出れば逆転の場面で、打席に準決勝で逆転3ランの八谷。「今までも劣勢の場面は多かった。引いていても結果は出ない」と思いを込めて放った打球は遊ゴロとなり併殺。3季連続甲子園出場の道は絶たれた。
選抜大会で4強入り、春の関東大会は5年ぶりの優勝を飾り、県内公式戦31連勝と記録を伸ばし続けた。常に目標とされ重圧の中で戦ってきた。森監督は「ずっと苦しかったがいい試合だった。素晴らしかった。紙一重で、野球の女神が向こうにほほ笑んだ」。
甲子園出場を信じて疑わなかった選手たちは、大粒の涙を流した。それでも試合終了直前まで「王者」として堂々と戦った浦和学院の威厳は薄れることはない。