埼玉新聞

 

児童虐待2事例、県児童虐待重大事例検証委員会が県に報告書を提出 2021年に発生した0歳男児の死亡事例と0歳女児の死亡事例

  • 【役所】埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

    埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

  • 【役所】埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 埼玉県は31日、2021年8月に発生した川越市0歳男児死亡事例および同年9月に発生した春日部市0歳女児死亡事例を検証してきた県児童虐待重大事例検証委員会(委員長・大竹智立正大教授)から、「児童虐待重大事例検証報告書」が県に提出されたと発表した。

 検証は対象事例の事実関係を把握し、課題を抽出した上で、県や市町村をはじめとする関係機関が取り組むべき事項を提言することを目的に、裁判の傍聴記録や市における対応の記録などの情報を基に行われた。

 妊娠届出書も未提出の母親が自宅アパートの浴槽で男児を出産し、死亡させるに至った川越市の事例について、思いがけない妊娠に関する相談窓口として県が開設している「にんしんSOS埼玉」やその他民間団体にはつながらなかったとして、「多くの人が利用し、目に触れる機会の多い交流サイト(SNS)を通じた周知・啓発も積極的に行うこと」などを提言した。

 早産かつ超低出生体重児として生まれた女児が、退院した後、母親の暴行により死亡するに至った春日部市の事例については、「市町村は養育困難や虐待につながるリスクのある妊産婦について、適切な支援方針の検討、決定が行われるよう、要保護児童対策地域協議会に登録するケースの判断基準を確立すること。判断基準が確立されている場合にも見直しを行うこと」などとした。

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