136年の歴史に幕 白岡の大山小学校 明治時代に開校、校名は当時の村名が由来 閉校イベントで風船放ち学びやに感謝と別れ
「ありがとう」「忘れないよ」。児童数の減少に伴い、4月から白岡市立西小学校に統合される市立大山小学校(村松淳一校長、児童数46人)の閉校イベントが3月30日、同校で開かれた。136年もの長きにわたって学校を支えてくれた人々に恩返しをしようと、保護者や地域住民、地元企業などが協力して主催。メッセージ付きの風船を手にした参加者は、慣れ親しんだ学びやに感謝と惜別の気持ちを込め、大空に放った。
大山小は1889(明治22)年に尋常小学校大山学校として開校した。校名は当時の村名が由来。柴山沼に代表される豊かな自然環境を生かし、地域と一体となった学校づくりを進めてきたが、児童数の減少が教育環境に与える影響は大きく、閉校が決まった。
午後2時半、アナウンスに応じて桜が咲き始めた校庭に参加者が集まった。配られたのは約500個の風船。手書きのメッセージを付けて合図とともに一斉に放つと、青いキャンバスにさまざまな色が浮かび上がり、やがて消えていった。
田んぼに囲まれた小さな学校で、大勢の子どもたちが机を並べてきた。5年生の天野実優さん(11)は「人数が少ないから、全員の名前が覚えられて友達もたくさんできた。思い出もいっぱいある。なくなるのは寂しい」と話す。母親の直子さん(52)も「寂しいのひと言」と語り、「地域の拠点でもあるので、建物だけでもどうか残してもらいたい」と願う。
イベントでは校舎を開放し、大山小の歩みをたどる歴史資料展や子どもたちが写した写真展、校舎と校庭を描いた黒板アート、吹奏楽演奏などの催しが行われた。
実行委員長を務めた岡安美和さん(44)は「大勢の人に参加をしてもらい、深く感謝している。今まで当たり前にあった大山小がなくなるのは今でも信じられない。皆さん、どうか忘れないでほしい」と話した。
■閉校式で校旗返納
白岡市立大山小学校の閉校式が26日、開かれた。学校のシンボルである校旗が返納され、児童や保護者、学校関係者らが学びやに別れを告げた。
式典で児童代表の6年生福田大和さん(12)は「大山小で過ごした6年間は宝物。寂しいけど、136年間、続いてきた卒業生の一人として誇りを持ち、これからも頑張りたい」と述べた。
藤井栄一郎市長に校旗を返納した村松校長は「閉校は新たなスタート。大山小を好きな気持ちは皆さんの成長を支えてくれる。保護者や地域の方々には、引き続き子どもたちを導いてもらいたい」と呼びかけた。