埼玉新聞

 

暴力団の総長ら逮捕、事務所で覚醒剤を所持した疑い 総長中心に密売、資金源とみて捜査/県警

  • 暴力団事務所を家宅捜索し押収品を運び出す県警の捜査員=22日午後3時半ごろ、川口市栄町1丁目

  • 総長を乗せた車=22日午後2時40分ごろ、東入間署(画像の一部を加工しています)

 川口市内の暴力団事務所で営利目的で覚醒剤を所持したとして、県警組織犯罪総合対策本部(薬物銃器対策課)と東入間署、狭山署の合同捜査班は22日までに、覚せい剤取締法違反(営利目的所持)の疑いで、無職の指定暴力団住吉会系2次団体総長(52)=川口市朝日2丁目=ら組員3人を逮捕した。

 県警は、総長らが昨年3月から11月にかけて、覚醒剤約1800グラムを多数の者に販売し、約7800万円の収益を得ていたとみて詳しく調べる。

 他に逮捕されたのは、いずれも川口市栄町1丁目、同幹部(47)、同組員(33)の2人。

 逮捕容疑は、営利目的で氏名不詳の者と共謀の上、昨年11月21日、川口市栄町1丁目の暴力団事務所で、覚醒剤約112グラム(末端価格約670万円相当)を所持した疑い。県警は共犯事件として認否を明らかにしていない。

 同課によると、同団体は47歳幹部や33歳組員らが電話などで注文を受けて、県内などいずれかの場所で、客に覚醒剤を受け渡していた。

 47歳幹部や33歳組員は覚せい剤取締法違反容疑で逮捕、起訴されたが、訴因変更され、麻薬特例法違反(業としての営利目的覚醒剤譲り渡し)罪で、さいたま地裁で公判中。

 県警はこれまでに総長ら3人のほかに、暴力団組員ら5人を覚せい剤取締法違反などの容疑で逮捕。うち4人が有罪判決を受け、1人は同罪で公判中となっている。また、2017年5月から今年4月までに、同団体から覚醒剤を購入した客の男女39人を同法違反容疑などで逮捕した。

 17年1月、暴力団が覚醒剤を密売しているとの情報を得て、県警が捜査を開始。昨年11月21日、同団体の事務所を家宅捜索し、覚醒剤約180グラム(末端価格約1080万円相当)のほか、電子はかりや注射器、小分けのビニール袋などを押収した。見つかったメモなどから組織的な密売が分かった。

 県警は、同団体が総長を中心として覚醒剤を密売し、売上金が暴力団の資金源になっていたとみて、組織の関係性や覚醒剤の入手先などについて調べる。

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