埼玉新聞

 

埼玉初!救助隊に女性消防士 危険と隣り合わせ、災害現場で活動する精鋭部隊に これまでは女性の配属なし…深谷市消防本部、意欲や適性など考慮 「女性でも活躍できることを証明したい」

  • 救助隊に女性で初めて配属された消防士の田辺早保さん

    救助隊に女性で初めて配属された消防士の田辺早保さん=28日午前、深谷市上敷免の深谷消防署

  • 救助隊に女性で初めて配属された消防士の田辺早保さん

 深谷市消防本部の4月1日付の定期人事異動で、埼玉県内で初めて救助隊に女性消防士田辺早保さん(25)が配属された。田辺さんは「男性の多い職場だが、女性でも十分に活躍できる魅力にあふれた職業であることを証明していきたい。生まれ育った深谷市に人命救助という形で恩返しができれば」と意気込んでいる。

 田辺さんは旧花園町(現深谷市)出身。小学2年生の時からソフトボールを始め、花園中学校でも活躍し、東京女子体育大学時代には全国大会で3位になった実績を持つ。「体力を生かし、人の役に立ちたい」と消防士を志し、2022年に市に入庁した。当初から救助隊への配属を志望していたが、これまでは火災対応を主務とする消防隊の一員として職務に励んできた。

 救助隊は深谷消防署に配置され、火災や交通事故など、危険と隣り合わせの災害現場で活動する人命救助の精鋭が集まる部隊。これまで市消防本部では救助隊への女性の配属はなかったが、田辺さんの意欲や職務への適性などを考慮し、深谷第2中隊救助係に配属されることになった。

 市消防本部によると、今年4月1日時点で、同本部は職員数231人のうち、女性職員は2・2%の5人。女性職員は事務部門に2人、消防隊に2人、救助隊に1人が配属される。女性活躍推進の一環として女性の職域拡大を積極的に取り組んでいる。

 田辺さんは「体力的には男性に劣るが、女性が助けに行くことで安心感を持つ人もいる。県内の救助隊では初めての女性なので、女性が憧れるような存在になりたい」と話していた。

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