無性に食べたくなる!スリランカカレー、宮代で食べる催し 少ない額でも長く…参加費の半分、寄付金として積み立て インド洋大津波地震の被災地支援に
国際交流団体「宮代でアジアと交流する会」は毎月一回、宮代町のコミュニティセンター進修館で、スリランカカレーを食べる催しを開催している。参加費の半分を、2004年のインド洋大津波地震で被災したスリランカなどへの寄付金として積み立てて支援に充てる。これまでに数十年間で500万円ほどの寄付金が集まった。3代目会長の手島亙さん(70)は「みんなが交流して楽しむことを一番に活動を続けてきた。ここに来ておいしいカレーを食べられてよかったなと思ってほしい」と話す。
■目当ての逸品
先月21日夜、進修館の食堂では食欲をそそるスパイスの香りが漂った。腕を振るうのは同国出身で杉戸町在住の介護職、桜井レヌカさん(58)。レヌカさんが作るカレーはオリジナルスパイス10種類以上を使用する。この味を目当てに町内外から多い時で30人以上のメンバーが集まる。
この日は定番のチキンカレーと、ジャガイモ入りダイコンカレーの2種類。「このカレーが定期的に無性に食べたくなる」と弾むメンバーの声。催しではレヌカさんと一緒に調理をする人や晩酌を楽しむ人も。それぞれが交流を楽しむ。「大人から子どもまで参加する会。いろいろな仕事をしている人と出会うことができて話を聞くのが勉強になる」とレヌカさんはほほ笑む。
■少額でも長い活動
同会は1996年に発足し来年30周年。町内にある日本工業大学に韓国や台湾、中国、ベトナムなどさまざまな国籍の留学生が多いことから活動が始まった。当初はトムヤムクンやギョーザなど留学生が自国の料理を作って食べたり、同大学教授の講演なども行われた。
2004年に発生したインド洋大津波地震をきっかけに、会の定番はカレーになった。メンバーの中にはスリランカの人もおり、母国が被災したので何か支援がしたいと思いが強くなった。「一度に多くの寄付は難しいが、少ない額でも長く活動がしたい」と手島さん。支援策を模索していたところ、レヌカさんらから「カレーを作る」と提案を受けた。毎回1人2千円を集め、カレーの材料費を引いた千円を支援金として積み立てるようになった。
■延べ500万円
これまで200人以上がカレーを食べ、延べ約500万円の寄付が集まった。寄付金は子どもたちの奨学金やホームステイなどに活用。昨年末にはレヌカさんから「母国の小学校の校舎を増築したい」という話を受けて、寄付金60万円をスリランカの学校建設支援に充てた。
手島さんは「ここに参加している人は、知らず知らずのうちに良いことをやっていたという感じ。楽しみながら続けていきたい」と話している。
会は誰でも参加可能。問い合わせは、手島さん(電話080・1239・4750)へ。