全財産を預けて…無職の弟、9400万円を失う 電話で「悪質サイトに一度振り込んで。後で返却するから」と言われ…106回も送金し生活困窮、相手は音信不通に 兄に相談し詐欺発覚 自宅まで売却し用意した現金戻らず
2025/04/05/13:50
埼玉県警狭山署は4日、サイトの使用料を装った架空請求詐欺で、狭山市の無職男性(72)が現金約9400万円をだまし取られたと発表した。
同署によると、2023年10月29日から24年8月11日までの間、男性の携帯に通信会社員などを名乗る男らから、「悪質サイトに登録され、多額の請求がされている。後で返却するが、一度振り込んでほしい」などと電話があった。その後、他県警の警察官を名乗る男から電話があり「あなたの口座が勝手に使われる恐れがあるため、全財産を預けてほしい」などと話した。話を信用した男性は23年10月30日から24年8月11日までの間、狭山市内の金融機関とコンビニのATMで、計106回にわたり、現金計9389万円を指定口座に振り込んだ。
同年8月11日以降、相手と連絡が取れなくなるとともに生活費が枯渇していたことなどから、男性は今年1月9日、別居する実兄に相談。実兄から詐欺の指摘を受けたため、同日午後4時ごろ、110番通報した。振り込んだ現金は預金のほか、自宅を売却して用意した現金だったという。