痴漢撃退アプリ、埼玉県警が作成 被害者が助け求めるメッセージ表示や音声 昨年、鉄道警察隊が受けた痴漢相談は143件 5、6月の夏前に増加 通学通勤時間帯の午前7時台が全体の4割占める
2025/04/11/13:00
列車内で発生する痴漢犯罪で積極的な通報を促そうと、県警鉄道警察隊は痴漢撃退ウェブアプリを作成し、3日から運用を開始した。痴漢対策に特化したアプリで、被害者が助けを求めるようなメッセージを表示したり、音声で伝えることができるほか、第三者が協力できるようなメッセージも表示される。
これまで同様の痴漢撃退アプリは県の公式アプリ「ポケットブックまいたま」で利用が可能だったが、2023年3月で運用を終了しており、県警がこれに代わるものとしてアプリを開発した。
アプリは県警ホームページなどからアクセスできる。アプリを開くと「助けてください」「やめてください」などのメッセージが表示され、タップすれば音声で発することもできる。被害を目撃した第三者用として、被害者に対して「大丈夫ですか」と表示できる機能も備わっているほか、どのメッセージ画面からも110番通報が簡単にできる仕組みになっている。
昨年、同隊が受けた痴漢犯罪の相談は143件で、5月の21件、6月の18件と夏前に増加する。時間帯別では通学通勤時間帯の午前7時台が52件と全体の約4割を占める。
同隊によると、痴漢の犯人の特徴について、逃げやすいようにドア付近にいることが多いこと、列車の時間も確認せずに女性をのぞき込む、などがあるという。同隊の森田富士夫隊長は「被害者だけでなく、第三者が傍観者とならないよう、アプリをホーム画面に追加するなど多くの人に使っていただきたい」と呼びかけている。
9日にはさいたま市浦和区の浦和麗明高校で防犯講話が行われ、同隊がアプリの紹介や痴漢に遭わないための対策などを紹介した。