埼玉新聞

 

「一生懸命」の大切さ伝える 浦和レッズハートフルクラブ初の女性コーチ 村社汐理さん 物心つく前から熱狂的な浦和サポ 下部組織からトップ昇格果たせずも…他クラブ渡り歩き現役引退 セレクション受けてコーチに

  • スクール生に笑顔で言葉を伝える浦和レッズハートフルクラブの村社汐理コーチ

    スクール生に笑顔で言葉を伝える浦和レッズハートフルクラブの村社汐理コーチ

  • スクール生に笑顔で言葉を伝える浦和レッズハートフルクラブの村社汐理コーチ

 サッカーを通じて、スポーツで最も大切な「こころ」を育むことをテーマに、地域貢献活動に力を入れる浦和レッズハートフルクラブ。村社汐理さん(28)=行田市出身=は2003年の同クラブ設立以来、初の女性コーチだ。自らの選手経験から「一生懸命やることが大事だと、身を持って言える」と実感を込め、スクール生ら、接する子どもたちに対して「伝える言葉を一番大切にしている」という。

 「赤い血が流れている」と自負するほど、父親の影響で物心つく前から熱狂的な浦和サポーター。小学生ではハートフルクラブの熊谷スクールに通った。レディースの下部組織からトップ昇格を果たせずに、他クラブを渡り歩いている時も「レッズに戻りたい一心で選手を続けていた」。

 熱い思いは運命的な形で実る。23年3月に大宮アルディージャVENTUSで現役を引退後、浦和ハートフルスクールアシスタントコーチの募集をたまたま見つけ、浦和の知り合いには連絡せず応募フォームから応募。セレクションを受けて合格した。

 アシスタントコーチ(レディース育成コーチ兼任)を経て、24年4月には晴れて同クラブコーチになった。主な活動は年長児から小学生を対象としたスクール、小学校でサッカーの授業サポートなど。「しおコーチ」の愛称で親しまれ、明るく笑顔で楽しそうに指導する姿が印象的だ。

 子どもと接する際に、かける言葉とともに一生懸命取り組むことの大切さを真っすぐに伝える。自身が「技術がなく、“一生懸命さ”だけでここまでやってきた」と自覚しているからだ。「レッズからも子どもたちからも『この人がいて良かった』と思ってもらえるコーチになりたい」。目の輝きは、サッカー少女の時のままだ。

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