<高校野球>甲子園7勝…最後に大阪桐蔭とやれて幸せ 聖望学園・岡本監督「昔からの夢」結実 全てに感謝
第104回全国高校野球選手権大会に埼玉代表として13年ぶり4度目の出場をした聖望学園の岡本幹成監督が16日、退任することを発表した。同校OBの宮崎広春コーチが新監督に就任し、同日に新チームの初練習が行われた。
私学4強の一角として埼玉をけん引してきた指揮官がまた一人、ユニホームを脱いだ。37年間、聖望学園を率いた岡本監督は「これまでいろいろあったけど、みんな(教え子)には感謝しないといけない」と振り返った。
大阪府守口市出身。桜宮高、東北福祉大時代の監督である伊藤義博氏からの紹介で、同高の監督に弱冠24歳で就任した。
「けじめのある自由」をモットーに1999年の第81回選手権大会で、鳥谷敬(元阪神)、宮崎広春(新監督)らを擁して春夏通じて初めての甲子園出場。2003年夏は8強に進出し、08年春の選抜大会で準優勝に輝くなど、夏4度、春1度の出場で甲子園通算7勝を挙げた。「甲子園での7勝は、高校野球の監督の立場を考えれば、成功できた。これも周りのおかげで、切磋琢磨(せっさたくま)した本多(利治)さん(春日部共栄監督)、森(士)君(浦和学院元監督)など全ての人に感謝したい」と話した。
退任を考え始めたのは、昨年の春。「翌年61歳になるし、先を考えるといい時期だった。(後任で)一番いいと思っていた宮崎が40代になるし、輝かさせてあげないといけない」と22年夏を最後とすることに決めた。そして、集大成の今夏、13年ぶりに甲子園出場した。「選手には感謝しかない。大敗だったけど最後に日本一と言われる大阪桐蔭とやれて幸せだった」と幕を下ろした。
37年間の監督生活で夢が一つかなったという。「鳥谷がプロで一流になって、宮崎が引き継ぐことが昔からの夢で、実現できた」と笑顔を見せた。今秋からは、名誉監督の立場としてチームを支える。「宮崎には自分がやりたいようにやってもらいたい。大変だと思うけどサポートをしっかりしたい」と見守る。