埼玉新聞

 

バスケが好きで元気な子…殺害された15歳の女子高校生 小中の同級生「また一緒に遊んで、思い出を語ったり、どうでもいい話をしたい」 現場は閑静な住宅街の一角にあるマンション

  • 事件が起きたマンションでは鑑識作業が行われていた=14日午後10時45分、さいたま市桜区栄和6丁目

    事件が起きたマンションでは鑑識作業が行われていた=14日午後10時45分、さいたま市桜区栄和6丁目

  • 事件が起きたマンションでは鑑識作業が行われていた=14日午後10時45分、さいたま市桜区栄和6丁目

 14日午後8時15分ごろ、埼玉県さいたま市桜区栄和6丁目のマンション出入り口付近で、居住する高校1年の女子生徒(15)が男に刃物で刺され、搬送先の病院で死亡した。県警は15日、殺人の疑いで、住所職業不詳の男(24)を逮捕した。県警は浦和西署に50人態勢の特別捜査班を設置し、事件の経緯や2人の関係を調べる。

 さいたま市桜区栄和のマンション出入り口付近で、高校1年の女子生徒(15)が刃物で刺され殺害された事件。現場は閑静な住宅街の一角にあるマンションで、近くに幹線道路はなく、夜は人通りが少ないという。殺人容疑で逮捕された男は、近くの交番で確保された。交番までの約1・4キロにわたり血痕が蛇行するように点々と残っており、県警の捜査員は横断歩道などの路面に残る血痕を採取するなど慎重に調べていた。

 同じマンションに住むパート女性(73)は女子生徒が中学生の頃に登校を見守っていたといい、バスケットボールが好きで元気な子だったと振り返った。事件直前の14日夕方ごろには、女子生徒と同じ学校の制服を着た女子高校生と2人で仲良さげに話していたのを見かけ、「高校入学おめでとう」と声をかけると、笑顔を返してくれたという。女子生徒が亡くなったことを受け入れられない様子で、「昨日まであんなに元気だったのに…」と声を詰まらせた。

 マンションの別の階に住む男性(18)は女子生徒とあいさつをする仲で、「目を見て笑顔であいさつを返してくれる人で、すごく良い人柄だった」と話す。事件が起きた14日午後8時ごろ、男性の母親が男の騒ぎ声を聞いたという。同じマンションの敷地内で起きた殺人事件に「まさかこんな近くで起きるとは。外に出るのが怖い」と不安げに語った。

 女子生徒と小中学校で同じクラスになったことがあるという女子高校生(15)は「誰にでも優しくて友達思い。みんなから好かれていた」と懐かしむように話した。テストで高得点を取った際には、自分ごとのように喜んでくれた。小学校の時は毎日、サッカーやバスケットボールをして遊んでいて、外で遊ぶのが好きだったという。女子生徒が被害に遭ったと友人から聞いた時は「間違いなんじゃないか」と信じることができなかった。「また一緒に遊んで、思い出を語ったり、どうでもいい話をしたい」と話していた。

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