埼玉新聞

 

建設現場のアスベストで賠償命令 8社に1億1千万円、横浜地裁

  • No Picture
  • No Picture

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸って肺がんなどを患ったとして、神奈川県の元労働者や遺族ら計38人が国と建材メーカー21社に計約11億200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、横浜地裁は16日、メーカー8社の責任を認め、原告のうち27人へ計約1億1700万円を支払うように命じた。

 藤岡淳裁判長は判決理由で、メーカーは1974年には石綿に関連する病気にかかる危険性を認識でき、遅くとも75年には警告表示する義務があったと指摘。シェアが高かった8社が共同で賠償する責任があるとした。

 一方、健康被害と建材の因果関係が認められないなどとして原告11人は賠償請求を棄却した。

 建設アスベストを巡る神奈川訴訟の第3陣で、2020年3月に提訴。38人中37人は国との和解が成立していた。残る1人は屋外で建設作業に従事しており、和解の対象外で国とメーカーに対する請求は、いずれも棄却された。

ツイート シェア シェア