埼玉新聞

 

さいたまに「スーパー・ボールパーク」を ベーブ・ルース、長嶋茂雄氏が本塁打の大宮公園再整備、県が構想

  • 競技施設の再編を含め公園再整備が検討される「大宮スーパー・ボールパーク構想」エリア(県ホームページより)

 県はさいたま市大宮区の大宮公園再整備の指針となる「大宮スーパー・ボールパーク構想」を策定し、公表している。高校野球のメッカでもある県営大宮公園野球場やJリーグの会場にもなるサッカー場、双輪場(競輪場)を含むエリアを整備。大宮公園の魅力向上を呼び水に、大宮のまち、県の良さを多くの人に知ってもらい、県を訪れてもらうことを狙いとする。今後、県民らから意見を募り、基本計画や具体的なスケジュールの作成などが進められる。

 大宮公園は大宮駅北東約1・5~2キロの場所に位置する県営公園。1885(明治18)年に整備され、1921(大正10)年には、現在の久喜市生まれで、日本初の林学博士で日本の「公園の父」といわれる本多静六博士らの「氷川公園改良計画」により本格的な公園整備が進んだ。

 2019年には有識者で構成された検討委員会が「大宮公園グランドデザイン」を作成。長い歴史を有する大宮公園の価値や景観を将来に引き継いでいくための、公園再整備に向けた基本的な考え方が示され、県に提言された。

 同構想は、大宮公園グランドデザインに基づいた公園再整備の一環。本年度スタートした県の5か年計画にも盛り込まれており、野球場、サッカー場、双輪場の三つの競技施設を含むエリアを整備し、大宮公園を「試合がある日もない日も楽しめる公園」とする基本的方針を示している。

 同構想では、整備着手に向け、現状の課題を整理した上で、各地の先進事例を参考に整備の方向性のイメージを提示。整備パターンの検討についても、競技施設を全て建て替える案や、野球場を建て替え、サッカー場を修繕、新たな運動施設を整備する案、サッカー場を建て替え、野球場を大規模改修・修繕し、新たな運動施設を整備する案などを競技施設関係者や民間事業者と意見交換する。

 また、試合がある日もない日も楽しむために、競技施設以外にもカフェやレストラン、バーなど飲食施設を新たに導入することや、マルシェやスタジアムショップなど物販施設、スケートボードパーク、遊園地など新規施設整備も視野に入れる。公民連携事業手法による整備を前提に、民間提案の自由度を確保しながら幅広い可能性を持たせた施設を検討するとしている。

 県公園スタジアム課担当者は「構想を示すことで民間の参入や創意工夫を触発し、公園全体の魅力向上とともににぎわいの核とすることで、公園から地域へとにぎわいを普及させる」としている。

 「大宮スーパー・ボールパーク構想」は県ホームページで詳細を公表している。

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