丸広に仮図書館設置 埼玉・上尾 図書館本館が大規模改修→駅前の丸広に設置で図書館機能を継続 工事終了後も分館として活用し市民サービス向上へ
上尾市と丸広百貨店(本社・川越市)は、同社上尾店への市立図書館(上町)の仮本館設置について正式に合意した。15日に行われた調印式では、畠山稔市長と伊藤敏幸社長が「図書館出店確認書」に署名。これにより、本館の大規模改修中も、図書館機能が継続できることになった。また本館工事終了後もJR上尾駅前の好立地を生かし、分館として活用することで市民サービスの向上を図る。仮本館のオープンは2026年度中を予定している。
昨年11月、市は仮本館設置について同社と大筋合意したことを発表し、その後協議を重ね今回の正式な締結に至った。契約期間は10年間で、賃料は年間3000万円(税込み)。初期経費として約4180万円を見込んでいる。
1981年に開館した図書館本館は、長年にわたり老朽化が課題となっていた。市は昨年8月「図書館本館更新指針」を策定し、本館のリノベーションを決定。空調や水回り、電気系統など大規模な工事を行い、2028年度中の完成を目指す。
丸広上尾店は、1992年に開業。建物は地上7階、地下1階。敷地面積は8120平方メートルで、店舗面積は約2万平方メートル。今年5月以降、百貨店としての営業を停止し、店舗を改装、1~3階部分を順次テナント化していくことが決まっている。
図書館仮本館が設置されるのは、6階フロアの約3分の2で1462平方メートル。同じフロアには催事場もあり、現在のテナントはそのまま継続し、新しく飲食店ができる予定。仮本館には本館の蔵書5万冊以上が運ばれ、閲覧席や学習席も設けられるほか、児童書コーナーも充実させる。市では今後、市民のニーズを踏まえつつ、分館移行後の利用方法についても検討していくという。
調印式に臨んだ畠山市長は「図書館を設置する条件が整い、大筋合意からさらに前進したことが大変喜ばしい。多大なるご理解に感謝したい。仮本館のオープンを着実に進めていく」とあいさつ。伊藤社長も「上尾店に図書館という機能が設置されることで、市民の皆さまの利便性の向上や上尾駅周辺のにぎわい創出に寄与できると期待している」と述べた。