怖い…夫死亡、家族と車で帰宅後に 駐車場から家に向かう途中、銃撃され妻が通報 犯人逃走し、疑いのある男を特定…自宅へ警官らが訪問すると、3人に車をぶつけて逃げる 短髪で眼鏡、身長175センチ
狭山市のマンションで2023年1月、暴力団関係者とみられる男性が銃撃され死亡した殺人事件に関連して、県警が22日朝、関係先である横浜市神奈川区の住宅を捜索しようとしたところ、住人の暴力団関係者とみられる50代男が車に乗って逃走。警察官3人と接触し軽傷を負わせた。県警は公務執行妨害事件として、殺人未遂容疑も視野に男の行方を追っている。
捜査関係者によると、県警は22日午前6時40分ごろ、殺人事件への関連が疑われる男の一戸建て住宅へ捜索のため訪問。男は県警の立ち会い要請に応じず、白い乗用車で逃走した。その際に、車を制止しようとした警察官3人と接触。軽傷を負わせた。
男は身長175センチほどの中肉、短髪で眼鏡をかけていた。黒いウインドブレーカーとみられる服を着ていたという。
殺人事件は23年1月6日午後7時15分ごろ、狭山市の自宅マンションに家族と車で帰宅した男性が、駐車場から建物に向かう途中で撃たれ、搬送先の病院で死亡した。県警は捜査本部を設置し、逃げた犯人の行方を追っている。
■血を流してうずくまり、5時間後に死亡(以下、初報記事)
2023年1月6日午後7時15分ごろ、狭山市広瀬台1丁目のマンションの住民の30代女性から「夫が拳銃で胸を撃たれて意識がない」と119番があった。警察官や救急隊員が駆け付けると、住民の無職男性(55)がマンション敷地内の駐車場で上半身から血を流してうずくまっていて、救急搬送され、治療を受けていたが、約5時間後に死亡した。
県警は男性の上半身に銃創があったことなどから拳銃で撃たれたとみて、殺人事件と断定。7日、狭山署に75人態勢の捜査本部を設置し、本格的な捜査を開始した。
捜査関係者によると、死亡した男性は暴力団関係者とみられるという。捜査本部によると、男性は家族4人で外出先から戻ってきて車から降りた後に撃たれたとみられる。犯人が待ち伏せした可能性もある。近隣住民の通報などから発砲は複数回あったとみられ、男性の上半身には複数の銃創があった。
捜査関係者によると、銃声が聞こえた後には黒っぽいバイクに、黒色のフルフェースのヘルメットをかぶり、ジャンパーを着た人物が、現場から立ち去る姿が付近の防犯カメラに映っていたという。
捜査本部は、犯人が発砲後に拳銃を持ったまま逃走している恐れがあるとして、防犯カメラの映像や付近への聞き込み、関係者聴取などを実施し、行方を追っている。
■「バン、バン」乾いた音
現場は西武新宿線狭山市駅の北西約2キロの住宅地。近くには武蔵野学院大学や高齢者福祉施設、保育園などがあり、北側には工場なども立つ。
近くの住人は「バン、バンと4発から5発ぐらい、乾いた音が聞こえた。その後で救急車などのサイレンの音が聞こえてきた。警察から外に出ないように言われ、家にいた。こんな事件が起こるとは驚いている」と振り返る。
事件を受けて狭山市は6日夜、「拳銃のようなものを持った不審者が逃走している」として、玄関や窓を施錠し外出を控えるよう防災行政無線や交流サイト(SNS)などで呼びかけた。
70代男性は「サイレンの音が頻繁にしていた。やはり怖い。外出は控える」。70代女性は「防災行政無線で最初は行方不明者かなと思ったが、事件と聞いてびっくりした。普段は静かで何もない所」と困惑した様子だった。