草加市の学習塾に侵入し、男性講師（59）と中学生の女子生徒（14）にけがを負わせた事件で、建造物侵入の疑いで逮捕された住居、職業不詳の男（48）が事件前、車の当て逃げやひき逃げ事件など約20件に関与したとみられることが県警への取材で分かった。県警は23日、男を建造物侵入容疑に傷害容疑を加えて、さいたま地検へ送検した。

　送検容疑は21日午後9時40分ごろ、草加市原町の学習塾に侵入し、女子生徒の腕を引っ張る暴行を加えて両膝に擦り傷を負わせ、男性講師に対してマグカップで頭部を殴打して全治不詳のけがを負わせた疑い。

　男は、逮捕されるまでの約1時間半の間、川口市などで自身の車と事故を起こした乗用車や、乗客が乗ったままのタクシーを奪う強盗事件を起こしていた。また隣接するさいたま市緑区の県道103号では、志木市方面から川口市方面に走行していたバイク2台がはねられ、うち1人が死亡するひき逃げ事件も発生しており、男との関連を調べている。

　県警によると、男が関与しているとみられる当て逃げ、ひき逃げ事件は、さいたま市緑区の事件を含めて約20件発生。一連の事件で、これまでに少なくとも1人が死亡、十数人がけがをしたとみて捜査している。

　また、同日午後9時ごろには、川口市差間のコンビニエンスストアに全裸で入店して、商品数点を盗んだ疑いも浮上しており、県警は一連事件の経緯や犯行動機を調べている。