埼玉新聞

 

男児、1人でさまよい歩く 迷子の経験ある高校生が発見し通報 肌寒さ感じる夜の公園、声かけ続けるもそわそわする男児…迎えの家族現れ、初めて大声で泣く「お母さん」 浦和署、高校生に感謝

  • 迷子保護で感謝状を受けた川口北高3年の倉田和樹さん(中央)と同高の田部井洋校長(左)、浦和署の小原隆幸生活安全課長

    迷子保護で感謝状を受けた川口北高3年の倉田和樹さん(中央)と同高の田部井洋校長(左)、浦和署の小原隆幸生活安全課長=21日午後、川口市木曽呂の県立川口北高校

  • 迷子保護で感謝状を受けた川口北高3年の倉田和樹さん(中央)と同高の田部井洋校長(左)、浦和署の小原隆幸生活安全課長

 迷子の児童を発見し、警察に通報して安全確保と事件事故未然防止に協力したとして浦和署は21日、県立川口北高校3年の倉田和樹さん(17)に感謝状を贈った。

 倉田さんは今月3日午後10時半ごろ、さいたま市内の公園で塾帰りの友人といた際に1人でさまよい歩く男児を発見。声をかけて警察に通報し、男児の保護に協力した。

 警察が到着するまでの間、倉田さんらは男児と一緒に公園のベンチに座り、声をかけ続けた。肌寒さも感じる暗い空の下、男児はそわそわとして受け答えもままならず、心ここにあらずといった様子だったという。

 「昔、私もショッピングセンターで迷子になったことがあって、その時のことを思い出していました。一人で、さぞや不安だろうな、と」と倉田さん。数分後に警察官が公園に到着し、その後、すぐに男児の家族が迎えに現れると男児は「お母さん」と初めて大きな声を出し、抱き締められながら泣いたという。

 倉田さんは同高男子バスケットボール部所属。「いつも『周囲に気を使え』と言われます。視野を広く持ちプレーする心がけが生きたのかもしれません」。将来は大学に進学し、国際関係について研究することを目指している。

 同高を訪れ、感謝状を手渡した浦和署の小原隆幸生活安全課長は「勇気ある行動に感謝します」とたたえた。

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