浦和VS大宮…埼玉のタブーに触れるカードゲーム発売 根深く地元愛あふれる対立、実在する名所やグルメなどのカードで対戦 「やめておけ」企画時止められた“さいたま市民以外にはどうでもいいゲーム”
「さいたま市民以外にはどうでもいいカードゲーム」と銘打たれたトレーディングカードゲーム「偏愛伝説カードバトル『さいたま伝』」が25日、発売された。「浦和対大宮」「大宮対浦和」をテーマに、市内に実在する駅ビルや商店街、名所やグルメなどのカードを使い対戦する。ゲームの制作委員会は「根深くも地元愛にあふれる対立をテーマにした対戦ゲーム。両エリアの魅力を楽しく再発見してほしい」と呼びかけている。
ゲーム制作集団「PANTS」と大宮アルシェなどの有志が協力して開発したカードゲーム。カードにはさいたま市の大宮地区、浦和地区の名所や名物などの写真があしらわれ、それぞれのスポットなどがユーモアたっぷりの文言を交えて紹介されている。
ゲームの舞台は「遠い未来のさいたまの地」との設定。浦和派と大宮派がそれぞれカードの効果で定住者を増やし、市民が増えるとエリアを占領できる。四つのエリアを先取した方が勝ちとなる。カードは伯爵亭、盆栽町、大宮ナポリタン、こりすのトトちゃん、氷川神社、別所沼公園、某高級百貨店、白鷺宝、酒蔵力浦和本店、ロヂャースなど全45種類。今後、より広いエリアや魅力ある新たなカードの追加も予定されている。
ゲーム制作の発端は「埼玉は何もない」と自虐的に語られる一方、浦和と大宮の優劣を競うとなると、途端に「燃える」地元民の姿をある種の文化と捉えたことにあるという。制作した大宮アルシェ社長の中島祥雄さんは「今は同じさいたま市だが、大宮・浦和問題に触れることはタブーとも言われる。企画した時も複数から『やめておけ』と止められた」と苦笑する。
一方で中島さんは「浦和、大宮は長年、それぞれ競いながら発展してきた。対立は切磋琢磨(せっさたくま)。街の均質化に対抗し、地元愛、愛着活性化につながるのではないか」と期待を寄せている。
税込み2530円。25日から、LOFT各店、須原屋各店、ハンズ大宮店、ソフマップ大宮店・川越店、HMV大宮店などで順次発売される。