埼玉新聞

 

高級SUV切断…残されていた前部、盗まれて無残な姿に 8人逮捕、車を解体か 高速道路ICから2キロの地点、外部から見られないよう鉄板で覆われた場所 SUVの車体上部も切断、内部もむき出し

  • ヤード内を捜索する県警捜査員ら=24日午前10時ごろ、さいたま市岩槻区

    ヤード内を捜索する県警捜査員ら=24日午前10時ごろ、さいたま市岩槻区

  • ヤード内を捜索する県警捜査員ら=24日午前10時ごろ、さいたま市岩槻区
  • さいたま市岩槻区浮谷の周辺地図(国土地理院HPより)
  • 【地図】さいたま市岩槻区

 さいたま市岩槻区のヤードで車を盗み隠していたとしてパキスタン人らが逮捕された事件で、県警捜査3課と熊谷署などは24日、盗品等保管の疑いで、新たにさいたま市岩槻区浮谷、作業員の男(59)ら23~59歳のパキスタン人やアフガニスタン人の男8人を逮捕、送検したと発表した。

 逮捕容疑は23日、さいたま市岩槻区浮谷のヤード2カ所で、盗まれたスポーツ用多目的車(SUV)計2台を保管した疑い。県警は共犯事件のため8人の認否を明らかにしていない。

 捜査3課によると、23日に窃盗や組織犯罪処罰法違反(隠匿)の疑いで、パキスタン国籍の自動車解体輸出入業役員の男(42)ら5人を逮捕。ヤードを捜索した際、59歳男ら8人がいて盗難車を保管していたことが分かったため現行犯逮捕した。

 2カ所のヤードはいずれも42歳男が会社登記しており、8人は車の解体作業をしていたとみられている。

 盗まれたSUVは愛知県豊田市と岐阜県美濃加茂市でそれぞれ2月と4月に盗まれた高級車だった。豊田市の盗難車は緩衝材やビニールで覆われた状態で、美濃加茂市の車は切断された前部がコンテナの中から見つかった。

■鉄板の壁で囲われ、中に高級車

 ヤードはいずれも東北自動車道岩槻インターチェンジ(IC)から南東に約2キロの住宅が点在する地域にある。24日には県警が捜索に入り、収容されていた盗品車両や部品などを調べた。

 県警によると、ヤードで稼働していたパキスタン人などの容疑者らは、ヤードに併設された平屋のプレハブ事務所に居住。トイレや台所が整備されていたという。敷地は周囲の目を阻むように鉄板の壁で囲われ、一部が破損した乗用車とみられる車両が3台一組で縦積みされ、沿うように配置されていた。

 ヤードの中央付近には盗品の国産高級車が置かれていた。一見すると外装パーツの多くが取り外され、内部がむき出しの状態。タイヤやホイールもなく、車両の上部は何らかの物で切断されていた。県警は海外へ輸出するためのコンテナに収納するためとみており、今後ヤード内を詳しく調べ組織の全容解明を進める方針。

■兄弟で犯行、中東に輸出か(以下、初報記事)

 自動車を盗み、ヤードに隠したとして県警捜査3課と熊谷署などは23日、窃盗と組織犯罪処罰法違反(隠匿)の疑いで、越谷市千間台西4丁目、パキスタン国籍で自動車解体輸出入業役員の男(42)ら35~81歳のパキスタン人3人と、アフガニスタン人、日本人1人を逮捕した。

 逮捕容疑は、氏名不詳の者と共謀し、2024年10月8日夜から翌9日朝にかけて、熊谷市銀座2丁目の月決め駐車場で、同市の自営業男性(45)の高級スポーツ用多目的車(SUV)など(計380万円相当)を盗み、同10日午後3時半ごろ、さいたま市岩槻区浮谷のヤードに隠した疑い。県警は共犯事件のため5人の認否を明らかにしていない。

 捜査3課によると、昨年2月ごろ、盗まれた車の売却先として岩槻区のヤードが浮上。10月10日に盗まれたSUVがヤードに搬入されるのを確認した。車は同月中旬に解体されてコンテナに詰められ中東に輸出されたとみられている。

 県警は短時間で盗難や搬入搬出が行われていることから窃盗の共犯と判断した。

 ヤードは42歳男と逮捕された弟2人のうち1人がそれぞれ会社登記していた。県警は5人のうち外国人4人が車の搬入や解体、輸出を、日本人1人が仲介役として関わっていたとみている。

 現場のヤードは周辺が田畑や倉庫で人家がまばらな所にあり、周囲を鉄板で囲い、プレハブの建物があった。

 県警は4課9署の態勢で200人が関係箇所を捜索。他にも複数の事件に関わっているとみて調べている。
 

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