浦和ワシントンホテル跡地、リオ・ホテルズが新ホテルオープンへ 12月に開業予定 来年6月は東側に地上27階の新施設が竣工、前の道路も拡幅する計画 今後周辺が大幅に変化か
8月31日で営業を終了する浦和ワシントンホテル(さいたま市浦和区)の跡地に「GLOBAL VIEW(グローバルビュー)」のブランド名で知られるリオ・ホテルズ(東京都千代田区)が入居し、12月上旬をめどに新ホテル「グローバルビュー浦和」(仮称)を開業する。近年、インバウンド需要の増加で都内の宿泊料金が高騰する中、同社では「東京駅から30分圏の浦和の市場性は高い。さいたまスーパーアリーナ(同市中央区)のコンサート客の需要にも応えたい」と話している。
開業をクリスマスなど年末年始の需要に間に合わせるため、間取りは現在の建物を最大限に生かした設計となる。同社の臼杵紗季社長は「文教都市浦和らしい落ち着きと温かみの両方が感じられるデザインにしたい」と話す。サウナ付き大浴場(来年完成予定)を設けるほか、未宿泊客でも利用できる朝食バイキング会場なども計画。客室数は現在と同じ140室の予定だ。
現在、ホテル1階部分の「パサージュ(吹き抜け)」には浦和レッズファンが集まるダイニングバー「ティナラウンジ」やコミュニティーエフエムラジオ局「さいたまレッズウェーブ」などが入居。現在の管理会社との賃貸借契約が9月で終了するが、同社では「引き続き、地域のにぎわい創出につながるよう(入居の継続を含めて)地元関係者らで協議したい」と話す。
来年6月にはホテル東側に地上27階、地下2階建ての新複合施設が竣工し、手前の道路も拡幅される予定。新たなメイン導線として大幅な改装工事を計画している。
浦和ワシントンホテルは1998年10月、旧西友浦和店跡地に地上12階建ての大型ビジネスホテルとして開業。県外出張のビジネスマンや地元企業の宴会需要などに応えてきた。JR浦和駅西口徒歩3分の好立地で客室の稼働率も安定しているが、建物の賃貸借契約終了の時期と重なり、昨年秋から今後の利活用について話し合いが行われてきた。
今回、全国の不動産運用・再生を手がけるリオ・ホールディングス(東京都千代田区)の子会社リオ・ホテルズ関越(同)が運営を担うことになった。リオ・ホテルズでは現在、全国30カ所に地域密着型ホテルを営業し、県内では埼玉グランドホテル深谷(深谷市)、同本庄(本庄市)、COCOSTAY西川口駅前(川口市)の3施設を展開。深谷市のホテルでは2月に地元飲食店などを集めて地域交流イベントを開催した。
臼杵社長は「各地域の歴史や文化を生かしたホテル運営を心がけている。新たに誕生する浦和のホテルも現在ある資産を生かしつつ、中山道の宿場町だった浦和の魅力を最大限に表現する空間にしたい」と話している。