彼女に数千万円の身代金要求、彼氏は監禁…飲食店員を逮捕 返せぬ借金、違法賭博「ロデ」「ソックディア」
ベトナム人男性を略取、監禁して身代金を要求したなどとして、埼玉県警国際捜査課と朝霞署の合同捜査班は15日、身代金目的略取、監禁、拐取者身代金要求の疑いで、千葉県市川市高石神、ベトナム国籍の飲食店従業員の男(28)を逮捕した。これまでにベトナム国籍の男5人が逮捕されていて県警は違法な賭博に絡んだ監禁、身代金要求事件とみて動機や経緯を詳しく調べる。
これまでに監禁などの容疑で逮捕されているのは、いずれも住所不定、無職の容疑者(36)、容疑者(25)ら5人。男が指示役で、36歳容疑者ら5人は実行役だったとみられる。
男の逮捕容疑は、共謀し4月19日午前0時ごろ、志木市本町6丁目内の集合住宅内などでベトナム国籍の男性(28)に暴行した上、車両内に連行し車を走らせ、テープで緊縛するなどの暴行を加え、深谷市内の家屋内で同日午後8時ごろまで監禁。同日中、多数回にわたり、走行中の車両内や家屋内で男性の交際相手のベトナム国籍の女性(25)にスマートフォンで身代金を要求するメッセージを送信するなどした疑い。県警は共犯事件として認否を明らかにしていない。
国際捜査課によると、同日午前0時ごろ、通行人が「複数の外国人が、1人の外国人を一方的に殴っている」と通報。同日夜、男性は解放され警察に保護された。暴行を受けたが軽傷だった。男性はベトナムで「ロデ」といわれる日本の宝くじに近い数字を当てるゲームで多額の借金をつくって、男から金を借りていたとみられる。身代金の要求額は日本円で数千万円にも上っていたという。男性の交際相手の女性は実際に払ってはいない。
県警は、借金の回収目的で犯行が行われたとみて捜査するとともに、他にも犯行に関わった者がいるとみて行方を追っている。
■ギャンブル絡み、昨年は8件発生
県警国際捜査課によると、昨年1年間で同課が認知しているギャンブルが起因の借金に伴うベトナム人が絡んだ同種事件は8件あったという。ギャンブルで借金をつくり、その借金を返せなくなることで監禁され、被害者の親族や関係者が身代金を要求されるのが主なケースだ。原因となるギャンブルは、今回の「ロデ」のほかに、丁半賭博のような「ソックディア」やトランプ賭博、サッカー賭博などが一般的だという。