若い女性は運動、栄養、睡眠が不足…美容や社会進出が影響 坂戸の大学で健康リスク考える特別授業
2019/05/29/00:00
若い女性の栄養不足と健康リスクについて考える特別授業が、坂戸市の女子栄養大学で開かれた。管理栄養士を志す学生ら約230人が、社会の中で求められる役割や課題を理解しようと熱心に耳を傾けていた。
実践栄養学科の4年生を対象とした総合講座の一環。日経BP総研が運営し、若い女性の健康向上に取り組む「ヘルシー・マザリング・プロジェクト」が協力、予防医療コンサルタントの細川モモさんが講演した。
細川さんは現代女性の健康について、女性の社会進出という観点から解説した。「若い女性の栄養不足は美容やファッションなど美意識が影響しているといえるが、女性の社会進出もそれと関係がある」と指摘。就業時間が不規則なことで食生活が偏り、高い朝食欠食率が見られていると危惧した。
「女性は社会進出によって、運動、栄養、睡眠の3大不足に陥っている」として、「女性の社会進出が健康を悪化させるような構造にしてはいけない。この先、みなさんが社会構造を変えるためのソリューションを開発し、女性の健康をしっかり支援してほしい」と学生にエールを送っていた。
サプリメントを販売する企業に就職が決まっているという学生(21)は「貧血気味なので、鉄分の多い食事を積極的にとるよう健康を意識していきたい。この講演をこれから先の仕事に役立てたい」と話していた。
講演後にはパネルディスカッションも行われ、同プロジェクトのパートナー企業である明治、バイエル薬品、ロート製薬の社員らがパネラーを務めた。
講座を担当した同大栄養学部の林芙美准教授は「学生が社会に出て、女性の健康づくりを応援するためにはどんな知識を身につければ良いのかを考え、自身のライフプランのヒントになるような講座にしてほしい」と願っていた。