紀元前から続くロマン、空中で造形 吹きガラス作家が個展、150点を展示販売 6月4日まで
2019/05/30/00:00
熊谷市の吹きガラス作家せきゆうこさんの個展が29日、同市仲町の八木橋百貨店5階アートサロンで始まった。日常の自然をモチーフに、伝統技法を用いた個性豊かな作品約150点を展示販売している。6月4日まで。
せきさんは熊谷生まれ。高校卒業後、オペレーターなどの仕事に就いたが、25歳の時、「手に職を付けたい」と沖縄に移住した。そこでガラス工芸に魅了され、熊谷に戻って群馬県桐生市の工房に弟子入り。3年間修行し、作家として活動を始めた。
作品に型はなく、どれも1点もの。空中で高温のガラスを吹きながら成形する「宙吹き」と呼ばれる技法にこだわっている。紀元前から続くロマンが詰まっていると、せきさんは笑う。
「宙吹きは思い通りにガラスを成形するのが難しい反面、腕を磨けば磨くほど、自由自在にコントロールできるようになる。歪みも含めた有機的な造形も魅力の一つ」
4回目の個展となる今回はグラスや照明、時計など、オブジェから日用品まで幅広く用意した。
月や太陽、海などをイメージし、光の反射でさまざまな表情を見せる。地元のフラワーデザイナーらとコラボレートした作品も。価格は3千円~3万円台。
せきさんは「展示のテーマはボヤージュ(航海)。作品を見て、いろんな景色を冒険しているような感覚を楽しんでもらえたら」と来場を呼び掛けている。
入場無料。問い合わせは、八木橋(電話048・523・1111)へ。