埼玉新聞

 

埼玉は全国2位のCANインベーダー被害数…無音10分で消えるレクサス、ランクル 最も効果的な対策は

  • 押収されたCAN=6日午後、越谷署

 千葉県内の駐車場から高級車レクサスを盗んだとして、埼玉県警捜査3課、越谷、吉川、所沢、朝霞の各署、千葉県警の合同捜査班は6日までに窃盗の疑いで、千葉県市原市島野、自称自営業の男(38)=窃盗未遂罪で起訴=と同居する無職の女(46)を逮捕した。

 逮捕容疑は共謀の上、4月14日午前1時7分ごろ、千葉県習志野市実籾3丁目の月決め駐車場で、駐車していたレクサス1台(時価約350万円)を窃取した疑い。県警は共犯事件のため、認否を明らかにしていない。

 捜査3課によると、エンジンを制御するシステムに侵入することでドアロックの解除や車のエンジンをかける「CANインベーダー」と呼ばれる盗難手口が利用されたという。盗まれたレクサスは、同市の30代の会社員男性のもので、同日午前7時ごろに同県市原市の五井南海岸地内路上に放置されていた。付近の防犯カメラの精査や内偵捜査で2人の犯行を特定した。

 県警は、5月17日に建造物侵入と窃盗未遂容疑で男を逮捕した際の家宅捜索で、「CAN」という電子機器を押収した。

 県内では川口、越谷、春日部を中心に自動車盗の被害が多発している。男が「CAN」を使って、車両のエンジンを起動させたことをほのめかしていて、県警は余罪が数十件はあるとみて、調べている。

■犯行10分、音も出ず 「アラーム機能」効果的 車両盗難の主流になっているのが、車前方にある端子に特殊な機械から延びるコードをつなげて、強制的にエンジンをかける「CANインベーダー」と呼ばれる手口。作業自体は1人でも可能で、犯行も10分ほどの短時間で大きな音も出ない。今回もこの手口でレクサスが盗まれた。県警捜査3課によると、県警が主体の捜査で「CAN」が押収されたのは初めてだという。

 同課によると、県内の1~8月の自動車盗認知件数(暫定)は457件で前年同期比で180件増加していて、愛知に次いで全国で2番目に多い。内訳はレクサス99件、ランドクルーザーが90件と高級車が狙われている。多数が、「CANインベーダー」で盗まれているとみられる。

 対策としてはハンドルロックやセンサーライト、防犯カメラ、衛星利用測位システム(GPS)の設置などのほか、同課は音がなる「車両開錠された際のアラーム機能」が最も効果的としている。

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