埼玉新聞

 

秩父はこれから見どころ満載…おいらん道中に「再開うれしい」 特産品売り上げも好調 旅行支援初の週末

  • おいらん道中の行列を写真に収める見物客=15日午後3時ごろ、秩父市番場町の番場通り

 新型コロナウイルスを巡る政府の水際対策の大幅緩和と全国旅行支援が始まってから15日は初の週末となった。「念願がかなった」「旅行を楽しみたい」。各地の観光地には多くの人が訪れ、かつてのにぎわいが戻ってきた。感染者数の減少傾向を見て、旅行を決めた人がいる一方で、再流行を懸念する声もあった。

 秩父市番場町の秩父神社周辺では、おいらん道中や神楽、ダンスパフォーマンスなどのイベントが開催され、多くの見物客でにぎわいを見せていた。

 ロケ地巡りで秩父に訪れた静岡市の女性(49)は「こんなに人混みがあるとは思わなかった」と驚いた様子。移動中の電車内には、大きな旅行かばんを持った外国人も多く乗車していて、「コロナ禍前の日本に戻りつつある」と実感したという。女性は「ワクチンを打ち、マスクをしていれば、感染の心配は一切ない」と話し、買い物を楽しんでいた。

 秩父神社の参道「番場通り」で午後3時ごろに行われた、おいらん道中を写真に収めていた秩父市の男性(71)は「秩父でしか見られない伝統行事が少しずつ再開されていることが何よりもうれしい」と笑顔で語った。

 秩父鉄道秩父駅に併設する特産品販売店「じばさん商店」は、8月ごろから徐々に客足が伸び、秩父名物の「しゃくしな漬け」や「豚みそ漬け」の売り上げが好調だ。店長の佐俣菜津子さん(32)は「県外や海外のお客さんが増えたため、土産品の宅配便発送が多くなった。秩父はこれから秋の紅葉が色づき、見どころ満載なので、感染対策を心がけながら遊びに来てほしい」と話していた。

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