埼玉新聞

 

開校が1年延期に…越谷の小中一貫校計画、新たに事業者公募 「選定が不透明」と議会で否決、選定委員増へ

  • 既存校舎の解体工事が進む蒲生小学校=9月29日午前、越谷市蒲生旭町

 越谷市は25日、事業者選定を巡り市議会9月定例会で関連議案が否決された小中一貫校の整備について、開校時期を当初予定より1年遅らせ、2027年度めどにすると発表した。建設と維持管理を行う事業者も新たに選定する。

 市によると、「蒲生学園」「川柳学園」「明正学園」(いずれも仮称)3学園の同時開校や施設規模は当初の予定通り。業者選定も、民間ノウハウや資金を活用する社会資本整備(PFI)方式を従来のまま適用する。

 変更点として、市議会で指摘されたPFI選定審査会委員の人数を新たに5人選任し、価格と性能評価の配点割合も見直しする。

 開校1年先送りに伴い、市は仮設教室の増設などで約2・7億円(現時点)の影響額を試算した。

 該当する小学校の児童と保護者、また近隣住民に対しては、来月15日から全11回、説明会を実施する。

 今年中に事業者公募を予定し、来年9月定例会への議案提出を当面の目標とする。

 小中一貫校の整備事業を巡っては、市内の設備工事会社「ナカノヤ」グループが6月に約142億円で落札。市は9月定例会に契約承認を求める議案を提出したが、「選定が不透明」などとして否決された。

 福田晃市長は「議会側から見てもおかしいと思われないものを、しっかり事前に考えていきたい」と述べた。

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