埼玉新聞

 

女性驚き、部屋に鍵あるのに…アルファードのドア開く 近くの不審者に声掛けた女性…犯人語った「困る事」

  • 押収した受信機など=1日午後、越谷署

 他人の敷地内の駐車場から高級国産車を窃取しようとして、県警捜査3課と越谷、吉川、所沢、朝霞の各署、千葉県警の合同捜査班は1日までに、窃盗未遂の疑いで、千葉県市原市島野、自称自営業の男(38)=窃盗罪などで公判中=と同居する無職の女(46)ら男女5人を逮捕した。男の逮捕は8回目。

 他に逮捕されたのは、いずれもコロンビア国籍で住居不定無職の男(36)=窃盗罪で公判中=と、男(31)、川口市坂下町3丁目、無職の男(55)。

 逮捕容疑は共謀の上、3月6日午前0時5分ごろ、千葉県習志野市実籾5丁目地内の女性(55)方駐車場で、駐車してあったアルファード1台(時価約400万円相当)を窃取しようとした疑い。女性が家の中の設置モニターを見て気付き、車の近くにいた不審者2人に声をかけたため、実際の被害はなかった。

 捜査3課によると、スマートキーの仕組みを悪用して車を盗む「リレーアタック」という手口で盗難しようとしたとみて、捜査を進めている。

 6月15日に36歳コロンビア人が都内で単独事故を起こした車が、同11日に千葉県柏市内で盗難された被害車両だったことが判明。事故後、同容疑者が放置して逃走した車の中にリレーアタックに使った機器が遺留されていたという。

 埼玉のほか千葉、東京などでも自動車盗の被害は報告されていて、エンジンを制御するシステムに侵入して車のエンジンをかける「CANインベーダー」や今回の「リレーアタック」などの手口を使った38歳男ら窃盗グループによる余罪が少なくても数十件はあるとみて調べている。

■電波の遮断が効果的

 今回の犯行に使われたと思われるのが、「リレーアタック」という手口だ。県警によると、リレーアタックには一般的に車のスマートキーから発信される微弱電波を増幅する機器と増幅された電波を受け取ってキーの役割を果たす機器があり、受信機自体がスマートキーだと車に誤認識させることで開錠し、エンジンを起動させるとされている。

 今回被害に遭いそうになった女性は「車の鍵は家の中にあった」と話していて、不審者が逃走した後、運転席のドアは開いていたという。対策する上ではスマートキーを金属製の箱などに入れて、電波を遮断するのが有効だと考えられている。

 逮捕された容疑者の一人は「(鍵が開けられても)ハンドルロックやブレーキロックがされていると外すのに手間がかかる」と供述しているという。県警はこの二つのロック機能のほか、アラーム機能や防犯カメラ、センサーライトの設置など複数の防犯対策が効果的だと促している。

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