埼玉新聞

 

県内進路調査、24年ぶりに公立高志望70%割る 県教育局が発表 背景にある理由は

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 県教育局は11日、3月に県内中学校(国公私立、特別支援学校中学部)を卒業予定の生徒6万4014人(前年比981人減)の進路希望状況調査(昨年12月15日現在)を発表した。県内公立高校全日制の希望者は4万4392人(前年比1187人減)で69・3%(同0・8ポイント減)となり、24年ぶりに7割を下回った。県内私立高校に通学する生徒の世帯の経済的負担を軽減する県の補助制度の浸透など、私立高校を選択しやすくなったことや多様な学校生活を送れる通信制高校を希望する生徒の増加などが、背景にあるとみられる。

 定時制や通信制高校、特別支援学校などを含め、進学希望校が決まっている生徒は6万3187人(同953人減)。卒業予定者全体に占める割合は98・7%で、調査開始の1965年度以降、4年連続で最高となった。志望校未定も含めると99・2%(6万3494人)。

 私立高校全日制を希望する生徒は1万205人(同125人減)で前年と同じ15・9%。教育政策課は「景気の緩やかな回復や私立高校に通う生徒の(県独自の)父母負担軽減事業の影響で、私立高校を選択しやすくなっている」とみている。

 そのほか県外高校は7・0%(同0・4ポイント増)の4500人(同184人増)が希望。通信制高校も2・8%(同0・5ポイント増)の1799人(同282人増)と、増加した。

 公立高校全日制希望者のうち、普通科は3万4440人。募集人員(内部進学者ら除く)に対する倍率は1・24倍で、前年より0・01ポイント低下した。

 全日制普通科で倍率が高いのは(1)市立浦和2・50倍(2)市立川越2・37倍(2)川口市立2・37倍。専門・総合学科で倍率が高いのは(1)川越工業建築科2・20倍(2)大宮理数科2・03倍(3)杉戸農業生物生産技術科1・90倍(3)不動岡外国語科1・90倍。

 全日制で定員割れは72校、113学科・コース。就職のみの希望者は98人で、全体の0・2%だった。

 公立高校入試の出願は2月18、19日で、志望先変更は同21、22日。学力検査は同28日。3月1日に一部の学校で実技検査や面接を実施する。合格発表は同8日。

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