埼玉新聞

 

ネット上に個人情報を載せる中高生、減少傾向に 県警まとめ 名前公開の高校生46・2%、写真公開は

  • 埼玉県警察本部=さいたま市浦和区高砂

 インターネットを介してさまざまな人と交流できる会員制交流サイト(SNS)。県警が県内の中学、高校生に行ったアンケートで、ネット上に氏名や写真など個人情報を掲載する中高生の割合が減少傾向にあることが県警のまとめで分かった。

 サイバー犯罪対策課は「県警や学校が児童や生徒へのネット教育に取り組んだ結果ではないか」と対策に一定の効果を感じている。

 アンケートは昨年7月~今年1月、県内の中高生1万563人(中学生5006人、高校生5557人)を対象に実施。スマートフォンの保有率やアプリの利用状況などについて調査した。

 自分専用のスマートフォンを所有している人の割合は中高生ともに増加し、中学生は65・9%(前年比2・1ポイント増)、高校生は97・4%(同1・3ポイント増)。いずれも2016年度以降最も高い数値となった。

 一方で、インターネットに氏名や写真など個人情報を掲載する人の割合は減少傾向に。

 名前や学校名など項目別にネットに公開しているかを調べた設問では、名前を公開している高校生は46・2%(同4・9ポイント減)、学校名は9・6%(同18・6ポイント減)、写真は20・8%(同5・7ポイント減)といずれも減少。

 中学生についても減少傾向にあり、安易に個人情報をさらさないという慎重な姿勢がうかがえる。

この点についてサイバー犯罪対策課は「県警や学校が行ってきたネット教育への取り組みが効いてきているのではないか」と分析。「安易に情報を公開しない人が増えていることは良い傾向」と話す。

 しかし、「ネットで知り合った人と実際に会ったことがある」と答えた高校生の割合が横ばい状態で推移していることなど課題も。

 同課は「匿名性の高いインターネットの世界は、年齢や性別の詐称、成り済ましなど危険性も高い」と指摘。

 写真やアプリの位置情報から自宅が特定されるケースなどを例に挙げ、「位置情報が必要ないアプリで位置情報の取得を許可していないかなど、保護者と子どもで設定を見直してほしい」と注意を呼び掛けている。

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