埼玉新聞

 

紅葉シーズン、景色いい山を安全に楽しんで 県、秩父の登山口で事故防止を呼び掛け 登山届の提出も求める

  • 登山届を提出する登山者(右)に啓発品を配布する県職員=24日午前8時ごろ、横瀬町横瀬の武甲山一の鳥居

 県は24日、秋の登山シーズンに合わせて消防機関や県警と合同で、秩父地域を中心とする県内の登山口5カ所で、「秋の安全登山キャンペーン」を実施し、登山者に啓発品の配布などを行い、山岳遭難事故防止を呼び掛けた。

 県警山岳救助隊によると、今年の県内の山岳遭難事故は9月末現在で35件41人で、昨年の同時期に比べて1件3人増加した。今年9月末の登山届の提出件数は7912件だったが、昨年の同時期は1万2597件。登山客は昨年より大幅に少ないが、山岳遭難事故は減少していない。

 キャンペーンは横瀬町の武甲山一の鳥居をはじめ、小鹿野町の二子山北登山口や両神山日向大谷登山口などの計5カ所で実施。発光ダイオード(LED)ライト付きホイッスルや防災アルミブランケット、安全登山啓発リーフレットを登山者に配布した。登山届の提出も呼び掛け、未提出の登山者にはその場での記入と提出を求めた。

 武甲山一の鳥居の駐車場は満車状態で、次々と登山者が訪れていた。起伏のある山道を走る「トレイルランニング」のため、武甲山を訪れた川口市の月岡金男さん(82)は「今年はトレイルランニングの大会もほとんど中止で、一番近い武甲山に4回登った。山は景色も良いので、やっぱり楽しい」と笑顔を見せた。

 県危機管理防災部消防課の小山省吾副課長(50)は「これからは秋の紅葉のシーズンでたくさんの登山客が訪れるが、登山道が荒れている部分もあるので、登山客は安全に注意しながら山を楽しんでもらえれば」と話していた。

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